1998 Fiscal Year Annual Research Report
企業の撤退戦略が経営成果・資本市場に及ぼす影響についての実証分析
Project/Area Number |
10873015
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
宮本 順二朗 帝塚山大学, 経営情報学部, 教授 (90121053)
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Keywords | 企業リストラクチャリング / 企業の部分売却 |
Research Abstract |
企業リストラクチャリングとしての“divestment"ないし“dives-titure"(企業の部分売却)の成果、とりわけ株式市場における評価の測定を試みた。米国およびドイツ連邦共和国での、それと同種のテーマに関する先駆的な調査研究を渉猟・吟味した上で、我が国上場企業から約60社のサンプル・データを分析し、「企業ダイベストメントは株主の富に対してプラスの影響ありか否か」を検証した。そのパイロット調査によれば統計的に有意な結果は得られなかったが)、概ねにおいて、株主の富にプラスの効果が生じていることが判明した。その調査結果は、1998年10月に東洋大学で開催された、日本経営財務研究学会第22回全国大会で(報告テーマは「企業ダイベストメントと株式市場の反応」を)発表し、今後の研究の展開にあたって幾つかの貴重な示唆・指摘を得ることができた。引き続き、そこで得た示唆を参考にしつつ、評価モデルの再検討ならびにサンプル・データの再収集を経て、(「企業リストラクチャリングとM&A」というタイトルで予定の)出版物の中でその調査結果を公表する準備を、目下進めているところである。次年度以降は、企業が撤退する過程で代替的な選択を迫られる可能性がある“被買収″ないし“被救済合併″、さらには、“会社整理"・“会社再建"に至るプロセスの調査研究へと、方向転換を図っている。その分析にあたっては、多変量解析法とくに判別分析・ロジット分析といった統計手法の応用を目論んでいる。
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