1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10874023
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
釜江 哲朗 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70226835)
伊達山 正人 大阪市立大学, 理学部, 講師 (10163718)
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Keywords | 自己相似確率過程 / 0-エントロピー |
Research Abstract |
ブラウン運動は、その法則が1/2次の自己相似性をもった加法過程として特徴付けられる.ブラウン運動B_tを用いた確率過程X_t=H(B_t,t)でH(x,t)がxに関して2回連続微分可能でtに関して1回連続微分可能なものは伊藤過程と呼ばれ,.よく研究されており,また,株価変動のモデル等として広く用いられている.この確率過程の増分は無限大のエントロピーをもっており,現実のモデルとしては,実際以上にランダムネスを含み不適切との指摘もされている.自己相似性をもつ確率過程の定常増分のエントロピーは0か無限大であることが知られている. 本研究では,0エントロピーの定常増分と1/2次の自己相似性をもつ唯一エルゴード的な確率過程の一つであるN-processN_tを考察した.これは,従来知られていなかった決定論的な(deterministic)自己相似確率過程であり,無相関な増分をもち,ブラウン運動との類似性もある.これをブラウン運動の代わりに用いた確率過程X_t=H(N_t,t)に関して,過去のデータから如何にして未来を予測するかという問題を考察し,ブラウン運動の場合と異なり非常によい予測が成立することを示した.これは例えば、位相が不明の異なる周期の様々な周期関数の和の時間的累積として表現されるような現象で、自己相似性をあわせもつものに対する確率過程としての定式化でもある.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Kamae: "Linear expansions, strictly ergodic homogeneocis cocycles and fractals"Israel J. Math.. 106. 313-337 (1998)
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[Publications] M.Dateyama, T.Kamae: "Ondirect sum decomposition of integers and Y.Ito's conjectare"Tokyo J. Math.. 21-2. 433-440 (1998)
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[Publications] T.Kamae, Jun-ichi Tamura, Zhi-yin Wen: "Hankel determinats for the Fibonacci word and Pade approxination"Acta Arithmetica. 89-2. 123-161 (1999)
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[Publications] T.Kamae, N.Gjini: "Coboundary on colored tiling space as Rauty fractal"Indagationes Mathematicae. 10-3. 407-421 (1999)