1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10874024
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90022277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 秀典 京都産業大学, 経済学部, 助教授 (40224240)
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Keywords | 知識作用素 / 証明論 / カット除去定理 |
Research Abstract |
ゲーム理論の論理的扱いの典型的ケースとしていわゆる帽子の色当てゲームを題材にし、次のことを考察した。(1)このゲームを記述できる論理的な言語の設定。(2)ゲームの仮定(プレーヤの初期知識集合)の設定。(3)「わからない」を表現する論理式の候補。(4)知識集合の拡張の妥当化。(5)推論の正当性の保証。(6)「分からない」と言いきれる理由。(7)誰でも正しい推論ができる理由。これら概念的な事象を数理論理学の研究対象にすることが、本研究の目的である。 このために、命題論理に知識作用素K(「事象Pを知っている」をK(P)と表す)を加え、古典命題論理にKに関するただ一つの推論(K->K)(任意の論理式F,G,Hについて"F and K(G)implies H"から"K(F) and K(G) implies K(H)"を導く)を加えた体系KLを設定した。KLにおけるカット除去定理が証明でき、その系として知識作用素の除去、知識集合の分離、知識内部の三段論法、K(F)とFの体系内部での非同値性と外部での同値性、などがしたがう。これらの応用として、証明論的な手法により、課題の(1)-(6)を解決した。その成果を京都産業大学・経済経営学会・ディスカッション・ぺーパ(Inferences within Knowledge)として出版し、また京都大学数理解析研究所および筑波大学の研究集会などで発表した。1999年6月に台湾のThe 7th Asian Logic Conferenceでも発表予定である。ほかに本研究の背景である人間を要素とする複雑系の研究、将来応用する予定の体系NDK関連の論文、計算可能性に関する論文なども出版された。 問題(7)および推論のプログラミングは今後の課題であり、定理の自動証明の理論を応用して解決する予定である。
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[Publications] YASUGI,Mariko: "NDK and Natural Reasoning" Proceedings of the Sixth Asian Logic Ionkrence. 285-310 (1998)
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[Publications] YASUGI,Mariko: "Computability problm of Gaerssian functio" Proceedings of CCA'98,Informatik Berichte. 235-8. 157-165 (1998)
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[Publications] YASUGI,Mariko: "Effective Properties of Sets and Fumclions in Metric Spaces with Computability Structures" Theonetical Computer Science. Special Issue(出版予定).
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[Publications] ODA,S.Hidenori: "The application of cellular automata to the consumer's theoryisimuluting the diffusion of rivalling prodects" Artificial Intelligence. (出版予定). (1999)
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[Publications] 八杉満利子: "論理パズルとパズルの論理" 遊星社, 158 (1998)