1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10874041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠木 治郎太 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (10016181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 勤 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (50233193)
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Keywords | EC崩壊の半減期 / ^7Beの半減期 / ^7Be内包フラーレン |
Research Abstract |
1. ^7Beを内包する放射化フラーレンC_<60>とC_<70>を、大槻が開発した方法により東北大学理学研究科原子核理学研究施設において電子線照射で製造し、HPLC(High Pressure Liquid Chromatography)により化学分離された。 2. ^7Beは電子捕獲により53.3日の半減期で^7Liに崩壊するが、10%の分岐比で^7Liの第1励起状態に崩壊し478keVのγ線を放出する。約80日間にわたり478-keVγ線の収量の変化を測定すし、フラーレンに内包された^7Beの半減期が求められた。 3. 現在まで、2回にわたって照射とγ線測定が実行された。1回目の測定結果は、C_<60>に内包された^7Beについては52.5±0.2日、C70に内包された場合については51.6±0.7日と、いずれも報告されている値よりも短い値を示した。しかしながら、2回目の測定結果は、C_<60>に内包された^7Beの半減期は53.2±0.4日となり、1回目の測定結果と異なった値となった。 4. このことの原因として、現在の測定系では、不感時間の測定と補正に問題があると考えられること、更に、室温での測定のため、内包された^7Beが崩壊する前に分離されているという二つの可能性が考えられる。現在、試料を低温にし、不感時間の少ない測定系での再測定の準備が進められている。
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