1999 Fiscal Year Annual Research Report
強収束加速減速によるタンデム加速器ビームの大強度化
Project/Area Number |
10874044
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
相良 建至 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00128026)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 裕之 北九州工業高等専門学校, 助教授 (70172434)
杉光 強 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70037216)
中島 孝夫 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90037200)
|
Keywords | 加速減速強収束 / 新加速方式 / タンデム加速器 / 高アクセプタンス / 大強度ビーム / ガスストリッパー / 天体核反応実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は,一様電場でビームを加速するタンデム加速器を改造して,電場を交互に逆向きにしてビームを加速・減速させることで強集束作用を生じさせ大強度ビームを加速することである.昨年度このアイデアを九大タンデム加速器に適用し,ビーム通過率が約10倍に増加することを実証した. ビーム通過率は加速減速方式で良くなったが,タンデム中央部でビームの荷電変換をするストリッパーの炭素薄膜が必要(1μg/cm^2)以上に厚い(7μg/cm^2)為にビームエネルギーが広がり,通過ビームの10%以下しか実験に使用できなかった.またこれ以上薄い膜は実際上入手出来ない. そこでかねてより開発中のガスストリッパーの完成を急ぎ,今年度にタンデミに装着した.このガスストリッパーは2段差分排気方式でガス閉じ込め効率が高くし,その分大型タンデムのガスストリッパーでは世界一の大口径に出来たので,細長くビーム通過を妨げるというガスストリッパーの弱点が解消できた. このガスストリッパーと加速減速方式とを組み合わせ,タンデムターミナル電圧を低い1MVにして実際に炭素ビームを加速したところ,入射ビームの21%を実験使用ビームと出来た.これは理論的最大値の47%である.従来は0.5%程度であったから,まさに画期的である.天体核反応実験からの要請である低エネルギーで10pμA程度の大強度の炭素ビームを,実際に実現できる見通しがついた. また,加速・減速する際に装着するショート棒の先端付近からタンデムタンク内壁に向かって放電が発生し電圧上昇を妨げていたが,このショート棒先端に中空金属球を取り付けて放電を防止した.
|
-
[Publications] 中島孝夫: "強収束タンデム加速器"第11回タンデム加速器及びその周辺技術の研究報告集. 50-55 (1999)
-
[Publications] K.Sagara: "Accel-Decel Strond Focusing Metmod for a Tandem Accelerator"Proceedings of the 12th Symposium on Accelerator Science and Technology. 63-65 (1999)
-
[Publications] 相良建至: "九大タンデムでの加速減速収束テストと天体核反応実験"第12回タンデム加速器及びその周辺技術の研究報告集. 121-124 (1999)