1999 Fiscal Year Annual Research Report
自動粒度分析機によるシーケンス層序の流体力学的解析
Project/Area Number |
10874070
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
新妻 信明 静岡大学, 理学部, 教授 (80005818)
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Keywords | 粒度分析 / シーケンス層序 / 流体力学 / Windows 98 |
Research Abstract |
Windows98を用いた測定の基本操作についての開発に基づき,定常測定用ソフトウエアの開発を実施した.最大の難点であった繰返し測定値受領を行っていると受領時間間隔が次第に増大する問題は,Windows98上の入出力欄の使用と関係していることが判明し,回避することに成功した.RS232C通信の確立,図形表示の基本の確立を行い,定常測定操作に必要な要素の作成に成功した.MS-DOSによる制御に比較して測定値受領速度が遅く,測定結果の印刷に難点が存在するが,予期せぬ計算機の停止を起こさず定常測定の制御機として充分使用できることが確認できた. 長野県の北部フォッサマグナ地域の新第三紀海成堆積物中から砂岩試料を信州新町において採取すると共に,宿所においては測定機器を持ち込んで使用する条件を検討した. 沈降法を用いる粒度分析機を調査地域の宿所に携帯する場合に,最大の問題となるのは,装置そのものの大きさである.電子機器や計算機は容易に携帯できる大きさに収まるが,粒度分析を行う沈降管をどの程度の直径と長さにするかの検討を開始した.沈降管の中を砂粒子が沈降する場合に砂粒子の回りにカルマンの渦などの乱流が起こるが,これらが粒子間や管壁と相互作用をして沈降速度が変化すれば,粒度分布測定の基本となる沈降速度一定とする仮定が保証されなくなり,測定誤差の原因となるとされ,1970年に発展したこの分野は停止状態に追い込まれてしまった.しかし,沈降管の中を流体力学的相互作用しながら降下する様子は,堆積物粒子群が堆積した時の流体力学的状態を反映すると考えられ,相互作用のある沈降実験の方がより流体力学的状態を読み出すために適しているという結論に達した.この結論に従って,最終年度は粒度分析機の試作にとりかかる計画である。
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