1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10874085
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
中山 重蔵 埼玉大学, 理学部, 教授 (90092022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 儀昭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00272279)
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Keywords | 含硫黄分子内塩 / 異常付加反応 / Grignard試薬 / ジチオカルボキシラート / フェニルイソチオシアナート / 含セレン分子内塩 / ヘキサセレノカン / 1,4-双極子 |
Research Abstract |
分子内塩(2)の硫黄原子への異常求核付加:1-クロロ-2,2-ビス(ジエチルアミノ)エチレン(1)と単体硫黄から調製した(2)に,RMgXあるいはRLiを加えると,速やかに反応が進行し,チオラート(3)を与えた.反応液にMeIを加えると,(3)がメチル化されたジチオアセタールが高収率で単離された.また,t-BuMgClならびにt-BuLiとの反応の詳細な生成物の分析に基づき,1電子移動によるラジカル対の生成とその再結合により(3)の生成をもたらすラジカル機構を提案した. ジチオカルボキシラードを負極とする1,4-双極子系の合成:1,3-ジメチル-2-メチレンイミダゾリジン(4)への二硫化炭素の付加を検討したところ,1,4-双極子化合物(5)が熱的に安定な結晶として合成された.また,1,3-ジメチル-2-イソプロピリデンイミダゾリジン(6)と二硫化炭素より合成した1,4-双極子化合物(7)は,DMADと室温で速やかに反応するが,当量のDMADでは,1,3-ジチオール(8)が生成し,2当量のDMADでは(8)とともにc-ジチオラクトンが生成した. PhN-C-Sを負極とする1,4-双極子系の合成:PhN-C-Sを負の極とする安定な結晶性の1,4-双極子系を(4)あるいは(6)とPh-N=C=Sの反応を利用して合成した.この系では,溶液中,1,4-双極子化合物(9)とチオアミドとの平衡混合物として存在することが1H NMRにより示された.また,(9)はDMADに対し,典型的な1,4-双極子として働き,d-チオラクタムを定量的に与えた. 分子内塩(1)のセレン同族体の合成と性質:(1)と単体セレンとの反応による含セレン分子内塩の合成を試みたが,8員環ヘキサセレノカンが得られた.また(4)とSe2Cl2のEt3N存在下の反応では,含セレン分子内塩が中程度の収率で得られた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Juzo Nakayama: "Synthesis and Unique Properties of 4,8-Bis[bis(dicthylamino)methylene]-1,2,3,5,6,7-hexaselenacyclooctane"Journal of the American Chemical Society. 120. 10027-10031 (1998)
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[Publications] Juzo Nakayama: "Ambident Reactivities of a Carbonium Salt Possessing a Thiocarbonyl Group at the bata-Position and Properties of the Thiophilic Addition of Methyllithium"Chemistry Letters. 187-188 (1999)