1998 Fiscal Year Annual Research Report
高スピン金属錯体クラスターに対する異種金属ドーピング
Project/Area Number |
10874098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿波賀 邦夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10202772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 渉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (50292719)
稲辺 保 北海道大学, 理学系研究科, 教授 (20168412)
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Keywords | クラスター / 高スピン錯体 / 磁性 |
Research Abstract |
Mn12核金属錯体クラスター[Mn_<12>O_<12>(MeCO_<12>)_<16>(H_2O)_4]は上向きと下向きのスピン間にポテンシャル障壁をもち、単分子磁石と考えられている。さらには、障壁をすり抜けるトンネル効果による磁気緩和も知られている。 Mn12核錯体を構成単位とし、超分子磁性体の構築を目的として、有機ラジカルm-MPYNN^+との塩(m-MPYNN^+)[Mn_<12>O_<12>(PhCO_2)_<16>(H_2O)_4]^+を合成した。構造解析に格子定数を決定したが、結晶が不安定であるため、全解析には至らなかった。磁気測定の結果、有機ラジカルとクラスターはエネルギー移動という観点から結びついていること、この相互作用により、クラスターの磁化緩和が著しく促進されることが分かった。さらに、結晶溶媒を含む結晶[Mn_<12>O_<12>(PhCO_2)_<16>(H_2O)_4]・2PhCOOHの合成に成功した。構造解析の結果、今まで知られている無溶媒のクラスター結晶では、構成分子の分子面が平行であったのに対して、この結晶中では単位格子に配尚の異なる2分子が存在し、分子平面が互いにほぼ直交していることが分った。磁気測定の結果、ブロッキング温度の異なる2種類のドメインが結晶内に生成することが分った。
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[Publications] T.Sekine et al.: "Observation of Spontaneous Magnetizatior in the Layered..." Inorg,Chem.37. 2129-2133 (1998)
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[Publications] T.Otsuka et al.: "Crystal Structure and Magnetic Properties of Acid Base" J.Mater.Chem.8. 1157-1164 (1998)
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[Publications] N.Robertson et al.: "[TTF]_2[Fe(tdas)_2]:A molecular Conductor Containing..." Adv.Mater.Opt.Electvrn. 8. 93-96 (1998)
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[Publications] W.Fujita et.al.: "Photoisomerization of Azobenzene Derivatives..." Mol.Cryst.Lig.Cryst.315. 29-34 (1998)
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[Publications] K.Awaga et al.: "High Pressure Ettects on a Monganese Hexacyaro..." Chem.Phys.Lett.293. 352-356 (1998)