1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物染色体のセントロメアの分子構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
10874114
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本吉 總男 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (90230052)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 豊 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60224193)
坂本 亘 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (20222002)
|
Keywords | セントロメア / 染色体 / シロイヌナズナ / テロソーミックス / 反復配列 / パルスフィールドゲル電気泳動 / 形質転換 / イオンビーム |
Research Abstract |
本研究では、シロイヌナズナの一系統(Tr4S)に存在が確認された小型染色体のセントロメア構造を分子レベルで解明しようとするものである。Tr4Sに過剰に存在するテロ染色体4Sのサイズは、物理地図等から5〜6メガ塩基対(Mb)であると推定されているが、サイズを正確に決定するためにパルスフィールドゲル電気泳動装置(BioRad CHEF-DRIII)を用いて、この染色体DNAの分離を試みた。90分間パルスで1週間の泳動を行ったところ、約5Mbに薄いバンドが認められた。しかし、これが4Sに由来したものであるかはまだ十分に確認されていない。この染色体の分離が比較的困難である理由として、その中に存在する大きなリボゾームRNAクラスターの存在が考えられた。そこで、この染色体をさらに小型化するために、Tr4Sの種子にイオンビームを照射した。また、テロメア配列をhead-to-headで導入できるバイナリーベクターを作成し、その形質転換体を得た。現在、これら後代の染色体を調査している。 また、セントロメアに局在し178-bpを基本とする縦列型反復配列のユニットの塩基配列を比較したところ、95%が保存されていることが明らかとなった。特に、30-bpボックスと24-bpボックスと呼ぶ領域では、99%が保存されており、その3'側は酵母のCDEl、ヒトのCENP-Bタンパク質結合配列にそれぞれ類似していることがわかった。これらのことから、シロイヌナズナの178-bp反復配列は、ヒトのαサテライトと同様、セントロメアの構築と機能に深く関わっていることが示唆された。
|