1999 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるオルタナティブスプライシングによる情報発現制御
Project/Area Number |
10874123
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
西村 幹夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80093061)
|
Keywords | オルタナティブスプライシング / cDNAクローニング / SRタンパク質 / 形質転換植物 / RNA結合領域 |
Research Abstract |
光によるオルタナティブスプライシングの制御機構の解明のため、近年、制御因子の一つとして考えられているSRタンパク質(Serine/arginine-richprotein)に着目し、暗所下で生育させたカボチャ子葉から作製したcDNAライブラリーから、そのcDNAのスクリーニングを行った。その結果、分子量の異なるセリンとアルギニンに富んだRNA結合タンパク質をコードする2種類のcDNAクローン(pnSRp35、puSRp40)を単離した。puSRp35タンパク質は、N末端に2つのRNA結合領域をもつのに対し、puSRp40タンパク質は1つしかもたず、それぞれ、Type I、Type II SRタンパク質であることが明らかとなった。それらの種子発芽時における挙動を調べたところ、1日目で、多量のRNA及びタンパク質が蓄積し、その後、急速に減少していくこと、また、光照射により急速にタンパク質が検出されなくなることから、これらのSRタンパク質は、種子発芽の非常に早い時期に発現し、その制御機構には光が関与している可能性が示唆された。これらSRタンパク質をシロイヌナズナで過剰発現させた結果、葉の形態異常や植物個体の成長抑制が観察され、過剰発現したSRタンパク質が正常なスプライシングを妨げていると考えられた。現在、スプライシング能を調べるため、形質転換体と野生型のスプライシングパターンを解析中である。
|
-
[Publications] Mano S., M. Hayashi and M. Nishimura: "Light regulates alternative splicing of hydroxypyruvate reductase in pumpkin"Plant J.. 17. 309-320 (1999)
-
[Publications] Mano S., M. Hayashi and M. Nishimura: "A leaf-peroxisomal protein, hydroxypyruvate reductase, is produced by light-regulated alternative splicing"Cell Biochem. Biophys.. (in press). (2000)