1998 Fiscal Year Annual Research Report
長球金属ナノ粒子が配向分散した酸化物光学薄膜の設計と表面プラズマ共鳴異方性の実現
Project/Area Number |
10875002
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
幸塚 広光 関西大学, 工学部, 助教授 (80178219)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / ナノ複合体 / 表面プラズマ共鳴 / 薄膜 / コーティング / 金属超微粒子 |
Research Abstract |
モル比Si(OC_2H_5)_4:Au:H_2O:C_2H_5OH=1:0.0275:2-10:2なる溶液(Au源にはHAuCl_4-4H_2Oを使用)を調製し,スピンコーティング(3470rpm,1min)によりガラス基板上にゲル膜を作製した。500゚Cで10minの熱処理,あるいは,50%のヒドラジンエタノール溶液のスピンコーティングとそれに続く500゚Cで10minの熱処理によって,ゲル膜を金ナノ粒子分散シリカ薄膜に変換した。 スピンコーティングによって作製した金ナノ粒子分散シリカ薄膜の光吸収ピーク波長は,ディップコーティング薄膜のピーク波長とよく似た溶液反応時間依存性を示した。したがって,ゲル膜のコーティング方法は,薄膜中に析出する金粒子の大きさと形状にあまり影響を与えないことがわかった。熱処理前にヒドラジン溶液による還元を行った薄膜においては,ゾル反応時間あるいは水の量の違いによる光吸収ピーク波長の違いが著しく減少した。一方,40h反応させたH_2O/Si(OC_2H_5)_4=4の溶液をコーティング液とし,基板回転速度あるいは基板引上げ速度を変化させて作製した種々の膜厚をもつ熱処理膜の光吸収ピーク波長は殆ど一定であった。この結果は,薄膜中に析出する金粒子の大きさと形状は,単に膜厚によって決まるのではなく,ゲル膜の微細構造や性質によって変化することを示唆している。 また,上記と同様の溶液にポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(PEOPE)を添加してコーティング液としたところ,PEOPEの添加量の増加とともに膜厚が一旦増大し,再び減少するという結果が得られた。一方光吸収ピークは,PEOPEの添加量の増加とともに一旦短波長側にシフトし,その後長波長側にシフトし,その後再び短波長側にシフトするという興味深い結果が得られた。現在,ゾルの粘度のPEOPE量依存性について調べている。
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