1998 Fiscal Year Annual Research Report
準安定酸素・窒素励起種ビームによる表面酸化・窒化反応の研究
Project/Area Number |
10875004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
楠 勲 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (30025390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 毅 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (90261479)
高見 知秀 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (40272455)
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Keywords | 分子線 / 表面化学反応 / 炭化 / 窒化 / 準安定励起種 / 表面反応過程 / シリコン / ダイアモンド |
Research Abstract |
本研究は、酸素または窒素の単体ガス又は希ガスとの混合ガスをプラズマ放電させて生成した準安定励起種(O^*,O2^*,N^*,N2^*等)を超高真空下の清浄固体表面(Si,SiC)に照射し、その表面の酸化・窒化反応の過程を調べる研究である。 平成10年度は、アンモニア分子線をシリコン表面に照射して作成した窒化珪素薄膜をX線光電子分光法(XPS)、反射高速電子回折法(RHEED)、原子間力顕微鏡(AFM)、走査トンネル顕微鏡(STM)、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて解析し、窒素イオンビームで窒化したときとの比較を行った。その結果、窒素イオンビームを用いた方が表面からより深いところまで窒化されるが、窒化膜の化学量論比がアンモニア分子線を用いた場合と比べて一定にならない事を見出し、解析の結果双方の窒化反応過程の違いを解明した。 また、ダイヤモンド及びグラファイト表面に窒素イオンビームを照射して作成した窒化炭素薄膜をXPSで調べ、生成したダイヤモンド窒化膜には3種類の環境(1.再表面を窒素原子が終端している構造、2.窒素原子が周囲の原子と4つの結合を持ち窒素原子の形式荷電が+1となっている構造、3.窒素原子が周囲の原子と3つの結合を持つ構造)にある窒素原子が存在する事がわかった。この結果はグラファイト窒化膜でも同様であった。 更に本年度は、励起種ビーム源を、当研究室にあるイオンビーム源を改良して我々の研究所内工場で作製した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Ishidzuka et al.: "Nitridation of Si(100) surface with NH_3" Applied Surface Science. 130-132. 130-132 (1998)
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[Publications] 猪狩佳幸 他: "高温エチレンビームとSi(100)表面の反応" 真空. 41. 391-392 (1998)
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[Publications] 高岡 毅、楠 勲: "シリコン表面への炭素系ガスの吸着" 真空. 41. 981-991 (1998)
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[Publications] 楠 勲、高岡 毅: "シリコン表面の炭化反応" 真空. 41. 992-1000 (1998)
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[Publications] T.Takami et al.: "Two different domains in cubic boron nitride(111) surface observed by friction force microscopy" Applied Physics Letters. 73. 2733-2735 (1998)
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[Publications] T.Takaoka and I.Kusunoki: "Sticking probability and adsorption of NH_3 on the Si(100) surface" Surface Science. 412/413. 30-41 (1998)