1998 Fiscal Year Annual Research Report
フォトン走査型トンネル顕微鏡を作った誘電体薄膜成長過程のナノスケール観察
Project/Area Number |
10875009
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
後藤 哲二 東邦大学, 理学部, 教授 (50095494)
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Keywords | フォトン走査型トンネル顕微鏡 / 誘電体薄膜 / 膜成長過程 / ナノスケール観察 |
Research Abstract |
本年度においては、蒸着膜の成長初期における原子やクラスターサイズの状態から連続膜にいたる膜成長過程を光学定数の1つである屈折率の局所的変化を通して観察するために真空蒸着装置とフォトン走査型トンネル顕微鏡(PSPM)が一体化した装置の建設を目指した。この目的にしたがって、既設の超高真空中で動作可能な自作のPSPMに超高真空蒸着装置と試料移送システムを取り付けた。この改造に当たって、ターボ分子ポンプを購入し蒸着中の装置内部の圧力上昇(真空雰囲気の劣化)を避けることができた。この超真空蒸着装置を用いてMgF_2およびZnS誘電体薄膜をガラス基板上に形成させることができた。一方、PSPMにおいて広範囲に及ぶ観察を可能にする為にPSPMの試料台に試料粗動機構を取り付けはまだ完全に完了したとは言い切れないが、あと1ケ月以内に充分達成できるある。見通しである。これらの装置を用いて、誘電体薄膜の膜成長過程の光学的性質変化をナノスケールで観察するとともに、PSPMのファイバー製プローブを強制振動させシアフォース顕微鏡として動作させ、表面の幾何学的形状を観察する事により膜の幾何学的形状と屈折率の関係を明らかにすることは次年度の目標であるがこれについても充分成算が立つところまで到達することができた。
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