1999 Fiscal Year Annual Research Report
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10875013
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
水谷 五郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (30183958)
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Keywords | 光第二高調波分光 / 非線形光学応答効率の絶対値 / NaCl(100) / Au / 表面準位共鳴 / 表面プラズモン共鳴 / Agコロイド / Half-leaky guided mode |
Research Abstract |
本研究は金属の超薄膜多層膜構造を用いて高い非線形効果をもつ材料を開発し、またその非線形感受率を決めている要因について実験的に検討することを目的としている。本年度は以下の3つの点について進展があった。 1)高い非線形効果をもつ材料を開発するためには、非線形光学応答の効率の絶対値を測定できなければならない。既存の測定系ではこの測定はできなかったが、試料ホルダーを改良し、測定試料と参照試料が同じ光学的配置で光学測定できるようにした。 2)前年度から継続しているNaCl(100)上のAu超薄膜の系の非線形効果の波長依存性の計測について、より膜をキャラクタライズし、再現性、S/Nという点で格段に質のよいデータをとることに成功した。400度Cの基板温度において膜厚を増加させていくと、Au膜は(001)エピタキシャル島状膜から(111)の繊維構造膜を経て(111)面が多く出た連続膜へと変化するが、この間、SH光強度のピークは2.9eVから2.4eVへとシフトすることがわかり、またピークが2.4eVに近付くとSH光強度は1桁ほど増大することがわかった。そして、このSHGの起源は、低被覆量ではAu単結晶面の表面準位間の二光子共鳴、高被覆量ではAu膜の表面プラズモン共鳴である、ということがわかった。 3)SiO_2/[SiO_2+Agコロイド]/SiO_23層系を形成し、プリズムカラーを用いて、Half-Leaky Guided Modeを励起したときのSH応答を観測した。この系では電磁気学的な現象論での厳密な計算ができ、非線形効果はSiO_2/[SiO_2+Agコロイド]界面で起こっていると解析された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Sano,G.Mizutani,S.Ushioda,K.Kitagawa,T.Kumi,S.Hayashi: "Enhancement of optical second harmonic response mediated by half-leaky guided modes"Surface Science. 427-428巻. 131-135 (1999)
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[Publications] H.Tanaka,H.Wakimoto,T.Miyazaki,G.Mizutani,S.Ushioda: "Excitation energy profile of the SH intensity from a glass-Au interface"Surface Science. 427-428巻. 147-151 (1999)
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[Publications] 北原武,田中英樹,脇本裕之,水谷五郎,潮田資勝: "光第二高調波分光法によるNaCl劈開面上のAu薄膜の研究"真 空. 43巻3号. 125-125 (2000)