1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
薩摩 順吉 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70093242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時弘 哲治 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10163966)
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Keywords | ソリトン / 可積分系 / 加速法 / ソーティング / 超離散 / 差分方程式 |
Research Abstract |
本研究は微分方程式・差分方程式をセルオートマトンと関係づける超離散化の手法をさまざまな工学システムに応用すること、および逆超離散化とも言うべき手法を用いて、さまざまな離散工学システムに対応する連続系を構成し、これまでにない視点でシステムの理解を図ることを目的としている。この目的に対して、これまでの研究経過は以下の通りである。 前者について、離散可積分系として知られている戸田分子方程式に対し超離散化を適用することにより、対応するセルオートマトン系を構成した。また、得られた系の解の具体的表現を与えるとともに、その代数的性質について考察を加えた。さらに、それらの解の挙動が数列の加速法として知られているイプシロンアルゴリズムおよびソーティング問題におけるバブルソートと関わっていることを示した。今後、離散可積分系について得られている知見をもとにして、数列加速やソーティング問題でどのような拡張が可能かを考察することが一つの研究課題である。 後者について、逆超離散の考え方を最も簡単なセルオートマトンであるウルフラムの「基本的セルオートマトン」に適用し、256種類すべてについて対応する差分方程式およびその連続極限である微分方程式を構成した。逆超離散を行う際、ある種の仮定をおくと一意的に差分方程式を構成できるが、その差分方程式がセルオートマトンの解の振る舞いを忠実に反映しているかどうかについては現在のところ不明である。また、ウルフラムの結果に示されているような解の挙動の分類が差分方程式レベルでできるかどうかについても、まだはっきりとした結論を出すには至っていない。今後、セルオートマトンに対応する差分方程式の構造を考察することにより、解の相互関係について普遍的な性質を抽出することが重要な研究課題である。
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[Publications] A.Nagai: "The Toda Molecule Eguation and the ε-Algorithm" Mathematics of Computation. 67巻. 1565-1575 (1998)
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[Publications] A.Nagai: "Ultra-discrete Toda Molecule Equation" Phys.Letter A. 244巻. 383-388 (1998)
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[Publications] R.Willox: "Nonautonomous Discrete Integrable Systems" Chaos,Solitons and Fractals. (掲載予定). (1999)
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[Publications] A.Nagai: "Ultra-discrete Toda Holecule Equations and Sorting Algorithms"