1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 信雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90142687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 英雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70231652)
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Keywords | ヘリウム / 吸着 / メゾ多孔体 / 等量吸着熱 / 熱交換器 |
Research Abstract |
2次元的吸着面を持つメゾ多孔体のヘクトライト、および直径約20Aの1次元トンネルを持つFSM-16の異なったヂメンションを持つメゾ多孔体において、4Heおよび3Heの数Kelvin以下の吸着状態と熱的性質を、主に比熱と吸着圧力測定によって調べた。 これらメン多孔体中でのヘリウムの吸着状態は、いずれの場合も、1層程度の吸着量以下では、吸着壁面の局在ポテンシャルによって特定のサイトに局在したり、低温では固体的な状態をつくる。しかしそれより多い吸着量では低温でバルクと同様の液体状態で吸着し比熱もバルク液体程度の大きさであることが分かった。 数Kelvinから20K程度の高温での状態は吸着圧力測定による等量吸着熱測定で調べた。等量吸着熱から推測される吸着ガスのエントロピーはバルクのガスや液体程度のレベルの大きさを持つことが推測された。1気圧以上の高い吸着圧力下での吸着ガス状態の研究は継続中である。 畜冷・熱交換器への応用でもう一つの重要な要素は、巨大な熱量の移動においても良好な熱伝導を維持することにある。我々は数K以下の条件では、吸着ヘリウムと金属容器との巨大な熱量の移動のモデルをつくり熱伝導の最適化ができた。これにより、熱伝導が一般的に悪くなる数mKの超低温でも、最適の熱伝導を実現して、ヒートバルス断熱法による比熱測定を可能にした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Wada,H.Yano,M.Ogura,H.Namaizawa and Y.Karaki: "Influence of spin fluctuations upon heat capacity of 2D Formi liquid foremed on Hectori te" J.Low Temp.Phys.110. 357-362 (1998)
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[Publications] H.Yano,S.Yoshizaki,S.Inagaki.Y.Fukushima and N.Wada: "“Observation of superfluid ^4He adsorbed in one-dimensional mesopores"" J.Low Temp.Phys.110. 573-578 (1998)
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[Publications] 和田信雄: "“多孔体中のヘリウム-低次元・強相関の量子流体-"" 日本物理学会誌. 53. 485-490 (1998)
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[Publications] N.Wada,Y.Karaki,and H.Yano: "“Localization-Fermi liquid transtion of ^3He adsorbed on ^4He coated hectorite"" J.Low Temp.Phys.113. 317-322 (1998)
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[Publications] M.Hieda,M.Suzuki,K.Torii,H.Yano,and N.Wada: "“Decoupling of He Films Adsorbed on Two-dimensional Mesoporous Hectorite"" J.Low Temp.Phys.113. 363-368 (1998)