1998 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内小胞による能動的物質移動のマイクロバイオメカニクス
Project/Area Number |
10875050
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 満里子 慶応大学, 文学部・生物学, 教授 (00051368)
岡 浩太郎 慶応大学, 理工学部, 助教授 (10276412)
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Keywords | バイオメカニクス / 内皮細胞 / 物質移動 / 生物流体力学 / 小胞輸送 / 壁面せん断応力 |
Research Abstract |
動脈内表面に分布している内皮細胞の挙動に着目し、内皮細胞に微視的なレベルでの力学的環境を制御することによって、細胞による生理活性物質の分泌や物質の取り込みを行う.その際の細胞近傍の流れという力学的環境を明確にすることにより、物質を選択的に捉える受容体や結合部位の存在及び分布が明らかになる可能性があり、バイオメカニクスの流域では大きなインパクトを与える成果となる。そこで、本研究では、生理活性物質の分泌や物質の取込を行っている細胞の状態をレーザー共焦点顕微鏡によって捉え、その画像から細胞モデルを構築し、細胞モデル近傍の流れを顕微鏡下での流れの計測を行って、細胞への流れによる力学的刺激と機能変化との対応を付け、メカノバイオロジカル相互作用について検討を行った。実験はブタの内皮細胞を用い、内皮細胞へのアルブミンの取り込み、ミトコンドリアの活性、さらに微小管のアルブミン取り込みに対する寄与について、細胞に負荷されたせん断応力刺激との関連性に焦点を絞った。アルブミンや微小管の状態は蛍光物質の蛍光強度の画像から定量化した。その結果、アルブミンの取り込みは低せん断では促進され、高ぜん断では抑制されるという二相性を示し、ミトコンドリアの活性もそれに同調して変化した。微小管はアルブミン小胞の経路と考えられるが、微小管上をアルブミンが取り込まれる様子が二重蛍光像から得られた。
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[Publications] 谷下一夫 他: "培養内皮細胞の高分子取りこみに及ぼす壁せん断応力の影響" 日本機械学会論文集. B64. 367-374 (1998)
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[Publications] 谷下一夫 他: "壁せん断応力による培養内皮細胞の代謝依存的な高分子取りこみ変化と細胞内顆粒との関係" 日本機械学会論文集. B64. 2123-2131 (1998)
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[Publications] Tanishita,K.et al.: "Intracellular transport rante of albumin in cultured acrtic endothelial cells" Advances in Bioengineering. 39. 107-108 (1998)
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[Publications] Tanishita,K.et al.: "Determination of microscopic wall shear stress distribation on endothelial cell model" Advances in Bioengineering. 39. 109-110 (1998)
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[Publications] Tanishita,K.et al.: "Microcoaxial electrode for local nitric oxide measurement in biological systems" Advances in Bioengineering. 39. 387-388 (1998)
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[Publications] 谷下一夫 他: "内皮細胞近傍の流れの計測" 日本バイオレオロジー学会誌. 12. 226-233 (1998)
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[Publications] 谷下一夫 他: "からだと熱と流れの科学" オーム社, 154 (1998)