1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 正吾 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00273607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 哲也 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (80294164)
才脇 直樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (20252637)
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Keywords | 創発 / ヒューマンインタラクション / 知的刺激 / 定性的シミュレーション / 情報フィルタリング |
Research Abstract |
人間の相互のインタラクションに注目してみると,人間は他人との対話や協同作業を通じて,本人が気付いていなかった全く新しいアイデアを見つけたり,そのきっかけを得たりすることがしばしば観測される.本年度は,「視点や価値観の異なる他者からの示唆,指摘による発想転換」「議論による理解の深化や新たな問題の発見」に見られるような現象を分析することを通じて,ヒューマンインタラクションにおける創発のモデルを検討した.その第1歩として,異分野の人との対話を通じた知的刺激による創発を実現する方式を考案した.ここでは非線形現象の引き込みや相転移などと対応がつくような創発のモデル化を試みた.ついで,対話を通じた知的刺激を基に,組織におけるヒューマンインタラクションのモデルを検討し,また知的刺激を利用した創発的なメディア生成を行う手法を検討した.組織内の人々の間におけるヒューマンインタラクションを通じて組織全体として創発的な現象が生じることを解明するために,組織におけるヒューマンインタラクションのモデル化に関しての研究を行った.重要な情報とそうでない情報を区別することを通じて組織における適切な意思決定を支援するために,定性的シミュレーションを用いた緊急時における情報フィルタリングの手法を提案した.さらに,組織において上層部の戦略的な意思決定における思惑と現場で直面すべき現実的な戦術との乖離を防ぐために,意図と状況の乖離を表象するインタフェースを開発した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小磯貴史,西田正吾: "緊急時のコミュニケーションモデルに基づいた組織形態評価システムの構築"ヒューマンインタフェース学会論文誌. 1・4. 63-72 (1999)
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[Publications] 小磯貴史,藤田達也,西田正吾: "意図と状況の乖離を表象するインタフェースの消防システムへの適用とその評価"ヒューマンインタフェース学会論文誌. 2・1. 27-34 (2000)
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[Publications] 西田正吾,吉田哲也: "概念の違いをみきわめる-知的刺激による創発-(分担執筆)"NTT出版 (発行予定). (2000)