1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875090
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松下 博通 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10038036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 博文 麻生セメント株式会社, 中央研究所, 研究員
鶴田 浩章 九州大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90253484)
添田 政司 福岡大学, 工学部, 講師 (50148871)
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Keywords | 防菌剤 / 物性試験 / 抵抗性試験 / 曝露試験 / 色差 / 菌数 |
Research Abstract |
使用防菌剤は有効菌数がそれぞれ237菌および32菌の有機系防菌剤2種と無機系防菌剤の合計3種類とした。昨年までの検討により、防菌剤を混入したコンクリートに対して物性試験とMIL変法(MIL STD 810D Method508.3変法)により抵抗性試験を行った。また、抵抗性試験と後述の曝露試験においてはコンクリートに直接防菌剤を混入した供試体に加えて、樹脂、P.P.モルタル、埋没型枠に混入したものについても試験を行うこととした。これらの結果より、防菌コンクリートは使用に耐えうる物性値を持ち、更に実験室レベルでは十分な防菌効果を持つことが分かった。 そこで、今年度は、防菌剤の溶出に対する耐久性を把握する事を目的とし、乾湿を繰り返して抵抗性試験を行った結果、十分な耐久性を持つ事が認められた。さらに実際の環境下において曝露試験を行い、防菌コンクリートの防菌効果について検討を行った。曝露試験は気中、海中、土中の3環境下にて、菌数測定、同定試験、色差測定および目視による評価をそれぞれ行った。気中曝露試験では、防菌効果が認められるものもあったが、全体的に曝露期間が短く、より長期的な曝露の結果を見ないと判断できないことが分かった。土中曝露試験では、土の付着等により色差による評価は困難であるが、菌数測定では特に樹脂混入の際に防菌効果を発揮した。しかし、気中曝露試験と同様、より長期的な曝露を必要とする。海中曝露試験においては貝類の付着が激しく、大量に防菌剤を混入した供試体について追加実験を行ったが、同様に貝類の付着が見られた。防菌剤単身では厳しい環境下で貝類の付着を防ぐのは難しく、表面形状、メンテナンス方法についても併せて検討していく必要がある。また、既存の評価方法に代わる新たな評価方法の確立も今後の課題である。
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[Publications] 山村拓郎、松下博通、陶佳宏、坂本賢次: "防菌剤を混入したモルタルの防菌効果に関する研究"土木学会西部支部研究講演概要集. 740-741 (1999)
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[Publications] 山村拓郎、松下博通、鶴田浩章、陶佳宏: "防菌剤を混入したモルタルの防菌効果"土木学会第54回年次学術講演会講演概要集. 第5部. 946-947 (1999)
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[Publications] 山村拓郎、松下博通、陶佳宏、藤井道義: "実環境下における防菌剤の効果"土木学会西部支部研究講演概要集. (印刷中). (2000)