1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 英一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 和寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (40301238)
宇都宮 智昭 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10211773)
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Keywords | 浮体橋梁 / 超長大浮体橋梁 / ポテンシャル理論 / 波浪応答 / ポンツーン基礎 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来形式の架橋方法では建設が困難であるような超長大スパン領域における架橋形式について、浮力を併用した新形式の橋梁形式を新たに考案し、その技術的可能性を探ることにある。具体的な形式としては、浮体基礎をスパン中間域に併用した形式、あるいは、桁自身に浮力をもたせ、これを部分的に浮かせるような形式が考えられる。このような形式の橋梁の技術的可能性を定量的に評価するため、まず、浮体基礎の波浪応答特性を把握することを目的として、解析プログラムの開発ならびにその実験的検証をおこなった。浮体基礎の形式としては、円筒形のポンツーン基礎とし、これが一定水深・無限海域中に単独に存在するものとして、これに作用する強制波力、ならびにラディエーション流体力を算出するプログラムを固有関数展開法に基づき作成した。次に、これが100m間隔で設置されるものと想定し、4車線道路を想定した場合の死荷重、活荷重の値から、必要ポンツーン寸法を算出した。各種条件により当然これらの値は変化するが、本研究では、直径46m、喫水4mの円筒形ポンツーンが想定実機寸法として算出された。これを、1/125にモデル化したポンツーン模型を作成し、京都大学の2次元造波水槽で波浪応答実験を実施した。実験の結果、上下方向の応答(heave応答)においては、実験と解析は非常に良く一致したが、回転方向の応答(pitch応答)においては、共振時以降の短周期側の波浪入射を受ける場合において渦の剥離にともなう減衰作用により実験値が解析値をかなり下回る結果となった。今年度の基礎研究により、ポンツーンの特性を定量的に評価するための基本的なプログラムを開発、検証できた。来年度以降においては、ここで得られた特性値をFEM等の全体モデルに組み込むことで、橋梁全体系モデルに対する解析を実施する予定である。
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