1998 Fiscal Year Annual Research Report
剪断流中を自由に回転、移流する粒子による乱流生成機構に関する実験的研究
Project/Area Number |
10875097
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森 明巨 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (00001339)
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Keywords | 剪断流 / 乱流生成 / 浮遊粒子 / 後流 / 回転 / 移流 / 回転剪断流 / 境界層流れ |
Research Abstract |
剪断流中粒子の回転による乱流生成効果について、外側が回転する二重円筒内の剪断流と境界層剪断流で実験を行い、次の3点について進展があった. 1. 循環剪断流では、前年度の1粒子実験に加えて多粒子実験を行い、新たな乱流生成効果と同時に乱流減少効果を見い出したが、これらは粒子間距離に依存する.すなわち、2粒子を適当な間隔に配置すると1粒子のときに比べて乱流誘導の原動力となるcross flowの発生頻度が低下して、粒子周辺流の安定性が著しく増した.しかし、2粒子が流れに乗って接近する場合には、cross flowによって誘導され、乱流生成の母体となるbubble Bは大きく変形する.また、3粒子以上投入すると常に不安定になった. 2. 今年度は、新たに境界層剪断流実験を加えた.循環剪断流ではbubble Bが発達したが、境界層剪断流ではbubble Aが発達した.この両者の違いから、粒子前後に発生するバブルの発生機構の解明について大きな進展があった.すなわち、バブル内の強い渦度が周辺の基本剪断流に作用し、cross flowを誘導して渦状に巻きあがるのである.3. 2つの剪断流間には強いレイノルズ相似性があることがわかった.これはAcrivosらの一様剪断流の研究結果から説明できる.レイノルズ数→小のときの停留点の消滅、レイノルズ数→大のときの停留点の粒子上移行、そして中間レイノルズ数における不安定停留点の発生である. これらの成果から、従来乱流強度→減少と予想されるレイノルズ数でも乱流強度→増加となり得る可能性が明かになり、本研究の初年度の研究目標が達成された.
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