1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞を用いた外因性内分泌攪乱化学物質による生体独性評価手法の開発
Project/Area Number |
10875105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助手 (40182852)
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Keywords | 内分泌攪乱物質 / 環境ホルモン / 変異原性 / ヒト細胞 / シャトルベクター / ベンゼン / ベンゾキノン / DNA |
Research Abstract |
環境中に存在する微量汚染物質の内、変異原性を有しかつ内分泌撹乱性を有する物質(例えば、プラスチック可塑剤として多用されるDBPやDEHP)、ガソリンからの除去が進められているベンゼン(白血病誘発物質)の代謝生成物であるペンゾキノン等、数種類の物質を選択・特定し、培養ヒト細胞を用いてDNAレベルでの変異原性試験、細胞レベルでの曝露試験を実施し、発癌性物質と内分泌撹乱性物質のDNAレベルでの作用機構の共通点および相違点を把握すると共に、その影響を定量的に比較するための指標とその定量方法を提示することを目指して研究を推進している。 平成10年度は、特に、以下の課題を設定して研究を推進した。すなわち先ず、外因性内分泌撹乱化学物質およびその試験法のサーベイと試験対象物質を絞り込むために、欧米諸国で進められている環境ホルモンの毒性試験法、わが国環境庁等が進めている環境ホルモンに関する研究現況調査等、関連情報を収集した。具体的な実験を開始するために本年度は先ず対象物質として、煙草の排煙や自動車排気ガス(ガソリン)中に含まれるベンゼンの体内代謝生成物質であるパラ(p)・ベンゾキノンに注目することにした。このp-ベンゾキノンを抽出したマウスのDNA(pNY200)およびヒトDNA(pMY189)に曝露し、DNAに対する変異原性を試験し、変異原性の種による相違について検討した。また、ヒト細胞を用いた環境ホルモンの影響を検出するための試験法をサーベイすることを目指して、環境ホルモンがヒト細胞にどのような影響を及ぼすかを、DNAの変異原性を指標にして定量化する試験方法について予備的に検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 森澤眞輔・米田稔・他1名: "生理学的薬動力学的モデルによるリスク評価の枠組みの構築" 環境衛生工学研究. 12・3. 115-120 (1998)
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[Publications] 森澤眞輔・他3名: "ベンゼン代謝生成物による突然変異の分子生物学的評価" 環境工学研究フォーラム講演集. 第35巻. 159-161 (1998)
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[Publications] 森澤眞輔・他1名: "ベンゼン代謝生成物ムコンアルデヒドによる突然変異の解析" 日本環境変異原学会第27回大会要旨集. 117 (1998)