1998 Fiscal Year Annual Research Report
景観生態的存在価値に着目した中山間地の棚田保全戦略
Project/Area Number |
10875106
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山口 行一 徳島大学, 工学部, 助手 (80294718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 磨人 徳島大学, 工学部, 助教授 (40304547)
澤田 俊明 建設材料試験所, 設計部, 部長
上月 康則 徳島大学, 大学院工学研究所, 助教授 (60225373)
近藤 光男 徳島大学, 大学院工学研究所, 教授 (10145013)
山中 英生 徳島大学, 工学部, 教授 (20166755)
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Keywords | 棚田 / 中山間地域 / 保全戦略 / 植生 / 環境意識 / アフォーダンス / 景観分析 / 景観生態存在価値 |
Research Abstract |
棚田の保全戦略を検討するため、徳島県上勝町樫原地区をケーススタディとして、棚田の機能を1)法面や畦における植生調査、2)アフォーダンス理論を用いた景観分析、3)棚田群を上流に有する河川における流域住民の環境意識分析に基づいて評価した。 1) では、(1)棚田の周辺環境をまず、地形単位として法面と畦に区分し、さらに、それらを土と石垣に細分した。(2)法面や畦における植生調査から、物理的な環境の違いを特徴づける植物種群を抽出することができた。(3)刈り取りは植生高に負の影響を与えるが、植物群落内の植物種の多様性が減少することがないことが確認された。 2) では、(4)J.J.ギブソンのアフォーダンス理論に基づいた景観に関するアンケート調査を行った。(5)棚田の景観上、「畦の曲線」、「畦の段」、などが良いオブジェクトとして、「コンクリート構造物」、「電線」などが悪いオブジェクトとして評価された。(6)棚田には「弁当を食べたい」、「昼寝をしたい」、「景色を眺めたい」、「散歩をしたい」といったアフォーダンスが存在していることがわかった。 3) では、(7)棚田を含んだ河川環境に対する住民意識をアンケート調査を行った。(8)環境財としての経済価値は、住民の「水辺環境との関わり方」、「理想としている環境像」、などと密接な関係があることがわかった。(9)分析対象となった勝浦川の上流、下流域の住民間には、環境に対する意識差が確認され、その要因を抽出することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鎌田磨人、中川恵美子、郡麻里: "棚田畦畔の環境の不均一性と植物群落の多様性" 第46回日本生態学会大会. (発売予定). (1999)
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[Publications] 上月康則、村上仁士、多田清冨、和田智行: "勝浦川上流・下流域住民の環境意識の比較検討" 土木学会四国支部技術研究発表会. Vol.5(発売予定). (1999)
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[Publications] 山中英生、山口行一、澤田俊明、大野禎亨: "保全戦略策定を目指した棚田景観のアフォーダンス分析" 土木学会四国支部技術研究発表会講演概要集. Vol.4. 348-349 (1998)