1998 Fiscal Year Annual Research Report
イスラム世界における近代建築の現在遺産調査-基礎確率調査とネットワークの確立
Project/Area Number |
10875119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村松 伸 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70202356)
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Keywords | イスラム建築 / トルコ建築 / 近代建築史 |
Research Abstract |
本年度は、ふたつのことをおこなった。 1. 日本におけるイスラム近代建築史関係の文献調査:東京、関西において、イスラム近代建築史研究の状況を調査し、いくつかの機関が所属しているイスラム近代建築史関係の文献を収集した。また、1999年9月、日本建築学会主催第2回アジア建築交流シンポジウム(神戸大学)において、日本におけるイスラム近代建築史関係のネットワークをつくることを提唱した。トルコ関係では、現在ひとりの日本人研究者がこの領域に関心をもっていることを確認した。 2. トルコにおけるトルコ近代建築史研究の実態調査と現存遺産調査:1999年6月トルコを訪問し、イスタンブール、アンカラ、トラブゾン、イズミールの各都市においてトルコ近代建築史研究の実態調査と現存遺産調査を実施した。想像していたよりも近代建築史研究は進展していることを確認した。日本を除く非西洋社会では、中国、台湾、韓国シンガポールと並ぶ研究の盛況ぶりである。また、訪問した4つの都市には多くの近代建築が現在も数多く残されていた。ただ、その遺産の数があまりにも多いこと、研究が独自に進展していること、トルコにおける「近代建築」の概念が日本とはやや異なることなどから、これまで、日本や東アジア、ベトナムで実施してきた「近代建築悉皆調査」は、トルコではやや困難だと思われる。むしろ、相互の研究成果を持ち寄ってコンフェランスを開催することから始めるのが適当であろう。
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