1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875122
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
八島 正知 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00239740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 眞人 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50233664)
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Keywords | 相変態 / 相転移 / ラマン散乱 / 紫外励起 |
Research Abstract |
材料中で生じる相変態をその場観察、いわば実況中継できれば、より良い合成条件や使用法を見いだし、材料開発の役に立つはずである。ラマン分光法は、そのようなその場観察に適している。しかし高温下の物体からは熱輻射による強い連続的なバックグラウンドが出るため、比較的強度の弱いラマンスベクトルを測定するのは極めて困難なである。本研究では、より短い波長域を利用するために紫外(UV)励起ラマン測定を行い、熱輻射の悪影響を大幅に軽減できたことを報告する。 ラマン散乱を紫外レーザー(UV,363.8nm)により励起した。比較のため可視レーザー(488.0nm)による実験も行った。本研究で用いた高温測定用のUVラマン散乱システムは次の特徴を有している。1.波長が363.8nmのUVレーザーによりラマン散乱を励起する。2.試料室と分光器の間に空間フィルターを配置した。3.すべての集光レンズの特性は、UV領域で最適化されている。すなわち、最大限のラマン散乱強度を得るために、色消し反射防止膜をコーティングした、球面収差が最小限のレンズを用いている。4.ミラーの反射率は、UVスペクトル領域で99.5%以上で、グレーティングもUV領域で最適化されている。 ジルコニアのラマンスペクトルを測定して、単斜→正方相転移を研究した。可視(488.0nm)励起とは対照的に、UV(363.8nm)励起ではバックグラウンドがほとんど平坦となっており、正方相ジルコニアの良質なラマンスペクトルを得ることができた。それゆえ、レーザーチューブで100mWという比較的低いレーザー出力でさえUV励起では1100℃と1200℃の間で起こるジルコニアの単斜→正方相転移を明確に観測できた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 八島正知: "Internal clistortion in ZrO_2-CeC_2 Soled Solutions : Neutron and high-reselution X-ray diffrention study" Applied Physics Letters. 72・2. 182-184 (1998)
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[Publications] 八島正知: "21世紀のセラミックス材料の研究開発と状態図" セラミックス. 33・1. 21-21 (1998)
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[Publications] H.Fujimori: "Structural changes of scandia-doped Zircoria Solid solutions : Rietveld analysis and Raman Scattering" Journal of the American Ceramic Society. 81・11. 2885-2893 (1998)
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[Publications] O.Yokota: "In situ measurements of the cubic-tetragonal phase transition of Zr_<1-x>Y_xO_<2-x12> at high temperutures up to ISO4K" JAERI-memo. 10・028. 254-255 (1998)
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[Publications] J.-H.Lee: "Ionic conductivity of fluorite-structured solid solution Y_<0.8>Nb_<0.2>O_<1.7>" Solid State Ionics. 107. 47-51 (1998)
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[Publications] M.Kakihana: "Preparation of tetrugonal ZrO_2-12m/c CeO_2 and ZrO_2-6mol%Y0.5 solid solutions of reduced temporature by a simple uquenous solution" Journal of Alloxs and Compounds. 280. 125-130 (1998)
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[Publications] J.Ma: "Synthesis of ZrO_2-Y_6WO_<12> solid solution powders by a polymerized complex method" Journal of Materials Research. 13・4. 939-943 (1998)