1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875134
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
八井 浄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80029454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升方 勝己 富山大学, 工学部, 教授 (80157198)
朱 旗峰 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (50293246)
今田 剛 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60262466)
斎藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80250984)
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Keywords | パルスイオンビーム蒸着法 / 高硬度材料 / 薄膜生成 / イオンビームアブレーション / 低温プロセス / 真空成膜 |
Research Abstract |
1988年に、我々が世界で初めて提案した大強度パルスイオンビーム蒸着(Intense Pulsed Ion Beam Evaporation:IBE)法を用いて、超高硬度材料の作製について、特に薄膜化の観点から研究を行い、下記の成果を得た。尚、得ようと試みた薄膜は、SiCとCNである。ここで前者は、高硬度、耐磨耗、耐熱性、耐蝕性に優れ、メカニカルシールやガスタービン等への応用が期待されている。一方、後者も高硬度材料として注目されているが、薄膜化が極めて困難なことでも知られている材料である。 1) 大強度パルスイオンビーム(Intense,Pulsed,Light Ion Beam:LIB)をSiCターゲットに照射し、高密度プラズマ(プラズマ密度〜10^<20>cm^<-3>)化して、これを隣接する基板(Si)上に堆積して、SiCを薄膜化することに成功した。このとき、X線回折分析から、得られた薄膜は、立方晶であることが判明した。更に、スクラッチ試験から、ターゲット・基板間距離が小さい程、基板と薄膜の密着性が増加することが判明した。本実験のように、基板加熱なしで、しかも真空中での成膜は、これまでに成功例は無い。 2) 大強度パルスイオンビーム(LIB)をメラミンターゲットに照射し、高密度プラズマ(プラズマ密度〜10^<20>cm^<-3>)化して、これを基板(Si)上に堆積してCNの薄膜化に成功した。ラザフォード後方散乱計測から、窒素の欠損はそれ程顕著ではなかった。通常の成膜法では、炭素に比べて、窒素が大幅に減少することが知られており、大きな問題となっていた。CNの薄膜化はこれまで非常に困難であったが、組成が比較的類似しているメラミンに注目し、CN薄膜化に成功したことは世界初であり、独創的であると自負している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Nakagawa,K.Yatsui,et sl.: "Synthesis of TiO_2 and TiN Nanosize Powders by Intense Light lon-Beam Evaporation" J.Mater.Sci.33(#2). 529-533 (1998)
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[Publications] 八井 浄、江 偉華: "パルスパワー技術を用いた薄膜と超微粒子の作製" 応用物理. 67(6). 648-654 (1998)
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[Publications] K.Yatsui,et al: "Preparation of Thin Films of Dielectric Materials using High-Density Ablation Plasma produced by Intense Pulsed Ion Beam" Mater.Chem.& Phys.54. 219-223 (1998)
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[Publications] W.Jiang,K.Yatsui,et al.: "Characteristics of Ablation Plasma produced by Pulsed Light Ion Beam Interaction with Targets and Applications to Materials Science" Nucl.Instr.and Methods. A415. 533-538 (1998)
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[Publications] T.Sonegawa and K.Yatsui: "Stoichiometric and Dielectric Properties of BaTiO_3 Thin Films prepared by Backside Pulsed Ion-Beam Evaporation" J.Materials Sci.Letters. 17. 1685-1687 (1998)
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[Publications] W.Jiang and K.Yatsui: "Pulsed Wire Discharge for Nanosize Powder Synthesis" IEEE Plasma Sci.26(#5). 1498-1501 (1998)
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[Publications] 八井 浄: "パルスパワードライバー技術と材料開発" プラズマ・核融合学会特別調査委員会「高エネルギー密度プラズマ研究の現状とその応用」最終報告書, 118 (1998)
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[Publications] 八井 浄、ら: "パルス超高エネルギー密度状態の研究動向" パルス超高エネルギー密度状態の評価と応用調査専門委員会編電気学会技術報告第713号、ISSN 0919-9195, 86 (1999)