1998 Fiscal Year Annual Research Report
Friction Stir Weldingの難接合材料への適用可能性
Project/Area Number |
10875139
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粉川 博之 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10133050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 裕 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (00292243)
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Keywords | Friction Stir Welding / 難接合材料 / 6063AI合金 / OIM / TEM / ピッカーズ硬度 / 結晶粒組織 / 析出物 |
Research Abstract |
Friction Stir Weldingは突き合わせ接合が可能な新しい固相接合法で、熱影響が少なく、気孔や割れが生じ難いなどのさまざまな利点を有している。そのため、Al合金のような難接合材料に対してこの接合法を適用するためのプロセス研究が広く行われているが、ミクロ組織解析などの基礎的な研究はほとんど行われていない。他の難接合材料に対してこの接合法を適用するには、このような基礎的データが必要不可欠と考えられることから、本年度はFriction Stir Weldingによる難接合材料の接合を可能にする目的で、6063析出強化型Al合金のFriction Stir接合部の組織形成メカニズムを材料組織学的に調べ、以下の結果を得た。 1、 溶接方向に垂直な断面に対して光学顕微鏡およびOIMによる組織観察を行うと、再結晶領域,変形組織領域,母材領域の3つの組織領域に分けられる。これらの領域の結晶粒組織は6063析出強化型Al合金接合材の硬度にはほとんど影響しない。 2、 上記の再結晶領域,変形領域を含む広い範囲でビッカース硬度の低下が確認でき、表面部と裏面部における硬度分布に違いは認められなかった。また、最小硬度は母材と同様の組織領域にて得られた。 3、 接合材中の強化析出物の分布・形態をTEM観察し、硬度分布に及ぼす析出物の影響を明らかにした。 4、 接合部の最高加熱温度を溶接熱サイクル再現試験,硬度測定,TEM観察によって組織学的に検討した結果、強化析出物の分布・形態から最高加熱温度の場所的分布が推定され、硬度低下領域は少なくとも500K以上に加熱されていることがわかった。 5、 接合材に溶体化処理なしの再時効処理を施すと、接合状態で硬度低下を示した領域の硬度は著しく上昇するが、接合状態で最小硬度を示した領域の外側に硬度上昇の低い領域が認められた。
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Research Products
(1 results)