1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875147
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70143386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 貴 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30212773)
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Keywords | 溶融飛灰 / オキシクロライド / ホットフィラメント法 / 塩化物-酸化物系 |
Research Abstract |
本研究は一般ゴミの処理によって発生する溶融飛灰の基本組成であるNa-K-Zn-Pb-Si-Cl-O系物質の最終処分の段階での物質組成の制御、無害安定化の可能性を探査し、具体的な処理法の提案をすることを最終目的としている。本系は蒸気圧が比較的高く従来の平衡法による実験が困難であったが、本特性を逆に利用した新しい実験手法によってNaCl-Na_2SiO_3系、LiCl-Li_2SiO_3系に関する状態図的研究が可能となった。 まずNa_2CO_3,SiO_2もしくはLi_2CO_3,SiO_2を所定の組成に秤量混合し炉内で高温に保持しNa_2SiO_3,Li_2SiO_3を焼成した。白金ロジウム熱電対(B Type)の先端を加工し、NaClとNa_2SiO_3が共存する試料を作成し、この試料をホットフィラメント法により加熱し、温度制御を行いながら試料の状態観察を行った。その後試料中の液相部を分離し組成分析を行った。 NaCl、Na_2SiO_3共存試料の各温度での溶解過程を観察したところ、NaCl融点以上の温度に保持すると、NaClが蒸発していき、液相領域がだんだんと減少した。また、液相成分と固相を平衡させたところで、試料を急冷して液相成分の分析を行った。LiCl-Li_2SiO_3系に関しても同様に実験を行った。その結果、両系ともNa_2SiO_3、Li_2SiO_3濃度の増加に伴い増加する液相線を得ることができた。その液相線はNa_2SiO_3、Li_2SiO_3濃度の高い領域ほど本液相線の傾きが大きく、NaCl,LiClそれぞれの融点以上では安定領域が狭くなっている。ホットフィラメント法を用いた本実験法により蒸気圧の比較的高い物質に関する状態図的研究が可能であることがわかり、また今後より溶融飛灰に近い組成に関する研究を進める上での有用なデータを得ることが出来た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岩沢こころ、前田正史: "アルカリ金属-酸-塩化物系の熱力学" 材料プロセス. Vo1.12. 107 (1999)
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[Publications] 岩沢こころ、前田正史: "(Na,Li)-Si-C1-0系混合物の状態図" 材料とプロセス. Vo1.12. 107 (1999)