1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875159
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 忠 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (50023172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 寿雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80273267)
薩摩 篤 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00215758)
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Keywords | メタン転化 / カップリング / 光反応 / シリカアルミナ / 発光サイト |
Research Abstract |
メタンは石油の代替資源として注目され、その高選択的な転化方法の開発が望まれている。O_2などの酸化剤を用いない非酸化的メタンカップリングは100%の選択率が期待されるが、熱力学的に非常に困難である。本研究では、光触媒による新たなメタン転化反応系の開発を目的とし、リン光を発するシリカアルミナ上での非酸化的メタン光カップリング反応を試み、その可能性と活性サイトについて検討した。 1073Kで真空排気をしたシリカアルミナ上では気相に多くのC2以上の炭化水素が生成し、その収率(ca.4.5%)は過去の報告より二桁以上高かった。まだ、光反応中に化学量論量のH_2が生成していた。一方、アルミナ単独では生成物が吸着し、回収に熱脱離過程が必要であった。これよりシリカアルミナを用いることで、今まで不可能であった光反応のみでの生成物回収が可能となり、触媒的に反応を進行させる大きな手がかりとなることが分かった。シリカアルミナ上には複数の発光サイトが存在するが、Al濃度の違いや前処理温度の影響から、微細構造を伴うリン光スペクトルを示す発光サイトが活性点であることが示唆された。実際にリン光スペクトルのCH_4消光実験を行ったところ、消光の度合いはN_2の7倍であった。また、反応における有効波長も消光実験の結果とよく一致した。これより、この発光サイトとCH_4は物理衝突以上の相互作用を持ち、照射光により励起されたエネルギーがCH_4に移行し、活性化されていることが示唆される。さらに微細構造を伴うスペクトルが優先的に消光されていることから、このサイトとCH_4の相互作用は大きく、本反応における活性点であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)