1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875162
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中野 和典 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (30292519)
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Keywords | Bdellovibrio / 膜の再生 / 海水脱塩膜 |
Research Abstract |
今年度は海水脱塩膜の再生にBdellovibrioを利用するために必要な基礎的知見を得るための実験を行い、以下のような結果が得られた。 1. ATCC等の菌株保管機関において海洋性Bdellovibrioは分譲されていないことからBdellovibrio菌株を自然海水から単離することを試みた。宿主を含有する軟寒天からなる上層と支持層である下層を持つ二重寒天プレートを作製し、宿主としてVibrio harveyi、海水サンプルとして那珂湊港で採取した海水を用いた結果、溶菌斑を形成するBdellovibrio sp.を得ることができた。 2. 得られたBdellovibrio菌株の宿主特異性について検討を行った。V.alginolyticus,V.anguillarum,V.harvuyi,V.penaeicida,V.splendidusの5種のVibrio菌株を用いた実験の結果、Bdellovibrio sp.これら5種のどの菌株に対しても寄生性を持ち、両者を混合するとどのVibrio種も36時間以内に菌数が一万分の一以下になることが明らかになった。 3. 流動条件がBdellovibrio sp.の寄生性に及ぼす影響を観る実験を行った。静置条件と振盪条件でVibrio菌数の減少曲線を比較したところ振盪条件では静置条件に比べて12時間以上Vbrio菌数の減少が遅れることが明らかとなった。これにより流動条件が宿主とBdellovibrioとの関係に影響することが判明した。 4. Bdellovibrio sp.の寄生性を維持した状態で菌株を保存する方法を確立するため、よく用いられている菌株保存用分散剤の中からグリセリン、DMSOおよびショ糖溶液を選択し、そのBdellovibrio sp.の保存性について比較を行ったところ、どの分散剤も凍結処理したBdellovibrio spの保全性には効果を示したが、乾燥処理したBdellovibrio sp.に対して効果を示したものはショ糖溶液のみであった。
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