1998 Fiscal Year Annual Research Report
気・固相電極の通電条件下における赤外スペクトル観察法の研究
Project/Area Number |
10875172
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
土器屋 正之 横浜国立大学, 環境科学研究センター, 教授 (70293181)
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Keywords | 拡散反射型赤外スペクトル / 固体酸化物電解質 / 多孔質電極 / 表面吸着 / 電流通電下現象 / アノード被毒 |
Research Abstract |
本研究の目的は赤外スペクトルを用いて、固体酸化物電解質/多孔質電極上での吸着種を把握することが出来るかどうかを検討し、可能な場合には電流通電下での吸着種の赤外スペクトルから固体酸化物型燃料電池の電極反応機構を解明することにある。本研究では、従来平滑表面上の吸着化学種の観察に用いられてきた高感度反射赤外型ではなく、ジルコニア、セリア等の固体電解質/電極上での観察も可能にするため粉末試料上での吸着種の観察が可能な拡散反射型赤外を用いている。これまでのところ、室温付近ではCOやエタノールについて吸着スペクトルを観察し、電位シフトらしきものを観察したが、拡散反射型赤外では吸着種の検出感度が1桁低く、数百A厚さの吸着層でないと検出できないため、最低でも500℃を必要とする固体酸化物電解質では、気相吸着種の観察が困難であることがわかってきた。これは、高温であるがための脱離による吸着種の濃度低下が原因であることもわかってきた。そこで、高温でも電極表面に保持できる色素や炭素など固形反応物と電極の反応を観測し、酸化物電解質/電極の形状的、化学的状態がどの様に電極機構に関与している下を調べることにし、装置的な改造調整を行っている。副次的な成果であるが、残存物の反応性などから判断すると、COなどのアノード電極被毒は微量の酸素によっても速やかに酸化されるようである。このことから、高分子電解質型燃料電池などで問題となっているCO被毒の対策には、カソードからの酸素供給を改善するほうがむしろ有効かもしれない。
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