1998 Fiscal Year Annual Research Report
改質ガス中の微量一酸化炭素の高選択的除去触媒に関する研究
Project/Area Number |
10875173
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
渡辺 政廣 山梨大学, 工学部, 教授 (00020412)
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Keywords | 高分子電解質燃料電池 / 改質ガス / ゼオライト / 一酸化炭素 / 選択的酸化 |
Research Abstract |
改質ガスを燃料とする高分子電解質燃料電池では、燃料中に少量のCOが存在すると、アノード触媒の被毒により深刻な電池性能の低下が起る。それ故、実用化に向けて、CO被毒の問題は最も大きな障害である。この問題の解決には燃料中のCOを予め大幅に低減する選択酸化除去触媒を開発することが重要である。これまでに、各種ゼオライト担持Pt触媒を検討し、高い選択、反応性を見い出している。 本年度はRu、Pd、Co等の金属種をモルデナイトに担持し、水素中の1%COの選択酸化特性を検討した。Ru/モルデナイトがCO酸化活性、選択性ともに100%と特異的に高かった。しかし、反応ガス流速を変えると高流速では水素化により、低流速では逆シフト反応によりCO転化率(CO_2基準)の低下が見られ、結果としてCO酸化の選択性が低下した。そこで、反応特性を向上させるため、モルデナイト担持RuをPtと合金化した。Pt-Ru/モルデナイトの200℃でのCO酸化特性はPt、Ruの中間に位置したが、150℃のCO転化率が90%とPt/モルデナイトの7%、Ru/モルデナイトの57%に比べ著しく高く、低温での活性が大きく改善できた。さらに、Pt-Ru/モルデナイトは反応ガス流速を変えても90%と高い選択性を維持した。Ptと合金することで、Ruの選択性を損なうことなく負荷応答性が向上できる可能性があることがわかった。 以上のようにゼオライト細孔内を反応場として利用することで、反応性の極めて高いH_2を主成分とする改質ガス中にわずか1%程度存在するCOを選択的に酸化除去する画期的な性能を持つ触媒が得られた。この成果は改質ガス作動型PEFCの実用化に大きく貢献できるものと考える。
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