1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875187
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木瀬 秀夫 筑波大学, 物質工学系, 教授 (20013170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正美 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (70234846)
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Keywords | フェニレンジアミン / 酸化重合 / 酵素 / ペルオキシダーゼ / 逆ミセル / 磁気的性質 |
Research Abstract |
窒素などのへテロ原子で連結された芳香族環を有するポリマーは、その酸化によって不対電子が生成し、その分子内配置がOvchinnikov則を満たすとき磁性の発現が期待される。このような新規の有機磁性材料の合成を目的として、西洋わさび由来のペルオキシダーゼを触媒として、過酸化水素を酸化剤に用いてフェニレンジアミン類の酸化重合を水/l,4-ジオキサンの混合溶媒系で行った。各種の反応条件の効果を検討した結果、ポリマー収率は溶媒組成に強く依存し、ジオキサン濃度が15-30%で80%以上の収率を得た。高濃度のジオキサン中では、ベルオキシダーゼの高次構造が変化することが円二色性スペクトルの変化から明らかにされた。すなわち、溶媒組成による収率の変化は、酵素構造の変化を反映すると考えられる。ポリマーの赤外吸収スペクトルから、ぴおよびpフェニレンジアミンのポリマーは、二置換ベンゼン核をかなり保持していることが示され、これはポリマーの成長が主に窒素-窒素結合により進行することを示唆すると思われる。これらのポリマーの一部は、磁場に反応するため詳細な磁気測定を行っている。 一方、イソオクタン中で界面活性剤(AOT)が形成する逆ミセル中でフェニレンジアミンの酸化重合を行った。この場合酵素的にも、また非酵素的にも反応が進行することを見出した。すなわち、逆ミセルは一種の人工酵素としての作用をし、また逆ミセル中では有機溶媒が大量に存在するにもかかわらず酵素はその本来の高次構造を保持することを見出した。
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[Publications] Daigo Ichinohe: "Oxidative polymerization of phenylenediamines in reversed micelles" Macromol.Chem.Phys.199・6. 1241-1245 (1998)
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[Publications] Daigo Ichinohe: "Oxidative Polymerization of Phenylenediamines Cotalyzed by Horseradish Peroxidase" J.Polym.Sci.Part A;Polymer Chem.36・14. 2593-2600 (1998)