1998 Fiscal Year Annual Research Report
感熱性スイッチング機能を有するInprintingハイドロゲル触媒の分子設計
Project/Area Number |
10875191
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 啓司 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90158155)
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Keywords | 感熱性 / ハイドロゲル / Inprintingゲル触媒 / ステアリルアクリレート / 高吸水能 / アクリル酸 |
Research Abstract |
本年度の研究では、本研究計画のターゲットである熱応答性Inprintingゲル触媒の合成において、その基本骨格とも言える長鎖アルキル基を有するアクリレートモノマー、ステアリルアクリレート及びミリスチルアクリレートとアクリル酸との共重合体ゲルの設計を試み、その感熱性ハイドロゲルとしての基本特性について検討を加えた。即ち、感熱部である長鎖アルキル基を有するアクリレートモノマーとアクリル酸を架橋剤としてのメチレンビスアクリルアミド存在下、φ5mmのキャピラリー中にて通常のラジカル開始剤により共重合ゲル化させた。このものをアルカリ処理することにより、この熱応答性ハイドロゲルに高吸水能と言った機能を付加させ、その制御を試みた。 その結果、これら感熱性ハイドロゲルはN-イソプロピルアクリルアミドに代表される高温収縮型感熱性ハイドロゲルとまったく逆の働きを示し、低温域では十分な吸水能を示さないものの、長鎖アルキル側鎖融点以上の高温域において初めて高い吸水能を示すといった、高温膨潤型ハイドロゲルである事が明らかにされた。吸水能の感熱性はゲルの共重合組成により制御が可能であったが、その組成は吸水能自身にも大きな影響を与える事がわかった。又、相転移温度に関してもアクリレート側鎖長を操作する事により制御が可能であった。 これらの結果は昨年9月に開かれた繊維学会および同十月に開催された高分子討論会において報告済みであり、又、この春の高分子年会においてもそり応用について報告予定である。これら本年度の研究で得られた感熱性ハイドロゲルの基本特性を基にして、今後触媒官能基を保持させた系、さらにはTemplate存在下で重合する事によって調整されるInprintingゲル触媒の活性について評価して行く計画である。
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