1999 Fiscal Year Annual Research Report
感熱性スイッチング機能を有するImprintingハイドロゲル触媒の分子設計
Project/Area Number |
10875191
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 啓司 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90158155)
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Keywords | 感熱性 / ハイドロゲル / Imprintingゲル触媒 / NIPAm / 加水分解反応 / チオール基 |
Research Abstract |
本研究は分子認識能に加えて感熱性という外部刺激に対する応答性を併せ持つインテリジェンス高分子触媒の分子設計に関するものである。前年度の研究では、本研究計画のターゲットである熱応答性Imprintingゲル触媒の合成において、その基本骨格とも言える長鎖アルキル基を有するアクリレートモノマー、ステアリルアクリレート及びミリスチルアクリレートとアクリル酸との共重合体ゲルの感熱性高吸水性樹脂としての機能評価、および感熱性ゲルとして多くの研究がなされているN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAm)を用いた重金属吸着ゲルの設計を試み、その感熱性ハイドロゲルとしての基本特性について検討を加えた。本年度は前年度得られた基本的な性質を基に感熱性を有するハイドロゲル触媒の設計を行った。すなわち、基質認識を視野に入れたアミド基を有しかつ感熱性を有するNIPAmを基本骨格とし、触媒官能基には高い求核性を有するチオール基を配した機能性ハイドロゲルを合成し、活性エステルの分解反応を用いた。これらゲル触媒は水に良く膨潤し、また、活性エステルの加水分解反応に際して高い触媒能を示した。また、これらのゲル触媒は反応系の温度によって、膨潤収縮するという、本来のNIPAmゲルの機能を失っておらず、そのモルフォロジー的変化が触媒活性にまで影響を及ぼすことが判明した。これらの結果は平成11年度高分子討論会にて報告済みであり、また、この春の日本化学会年会においてもその応用について発表予定である。今後、この感熱性を示したハイドロゲル触媒に分子認識能を付与するべく基質のImprintingを行い、その活性について評価をくわえて行く計画である。
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