1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875202
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹ヶ原 春貴 東京都立科学技術大学, 工学部・航空宇宙システム工学科, 助教授 (20227010)
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Keywords | ロケット・エンジン / イオンエンジン / フラーレン / プラズマ / 推進剤 / 昇華供給 |
Research Abstract |
C_<60>のイオン推進機推進剤への適用を目的とした研究を遂行し,下記研究成果・知見を得た. 1. 従来推進剤として使用されているXeと推進性能の比較評価が可能な,電磁石によるプラズマ閉じ込めおよび電子源としてホローカソードを採用したイオンエンジンを試作した. 2. 上記イオンエンジンの性能評価実験を実施した結果,Xeと比較し,イオン生成コストの低減が図れることを明らかにした. 3. 予備研究において開発した粒子同定装置(E×Bプローブ)を用い,抽出イオンビーム中のC_<60>イオンの存在を明らかにした.また,静電プローブを用いた放電室プラズマの診断により,C_<60>の正イオンおよび負イオンが含まれていることを明らかにした. 4. 上記結果より,C_<60>は従来の推進剤よりもイオン生成コスト低減および推力密度増大を図れる推進剤であることを示した. 5. 性能向上の実験的確認のためには,今後放電室形状の最適化およびプラズマ生成系と抽出系の整合を図る必要があることが判明した. 6. 従来よりも10〜16倍高速な希薄流解析コードを開発した.このコードを用いて推進機内の推進剤流れに対して解析を行い,上記推進機の性能向上を図った(解析コードの援用).なお本コードはこれまで膨大な計算時間を要していた希薄流解析に貢献することが期待できる.
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[Publications] Yoshinori Nakayama: "C_<60> Application to Ion Thruster-Improvement of Plasma Production" Proceedings of 21st International Symposium on Space Technology and Science. 1. 324-329 (1998)
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[Publications] 中山宣典: "イオン推進機放電室内の推進剤流れ-ベクトル化DSMC法による解析-" 第9回計算流体シンポジウム論文集. 1. 437-438 (1998)
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[Publications] 竹ヶ原春貴: "フラーレンのイオンエンジンへの適用検討" 第16回フラーレン総合シンポジウム論文集(特別講演). 9-12 (1999)