1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10875204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 清重 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10135668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 博善 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00252601)
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60106804)
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Keywords | 脅威 / 閉塞 / 心理 / 熱力学 / エントロピー |
Research Abstract |
操船者の受ける心理感に熱力学的考察を加え、交通心理にも熱力学と同様の状態方程式が存在し、さらに熱力学に倣った交通心理学第1法則、交通心理学第2法則をつけ加えると、熱平衡に相当する輻輳海域での自然減速等が説明しうることが分かった。 1)交通心理の状態方程式 松村らの"鏡像脅威の拡張原理仮設"を海域の客観的閉塞性Psを表現するものと見直すと、彼らの脅威感の表現は PsVs=αM と書けることがわかった。ここにVsは船速の2乗、αは船の旋回性能を表すパラメタ、Mは血圧や心拍を線形化したものである。これは理想気体状態方程式PV=RTに相当する。 2)交通心理学第1法則 熱力学第1法則にならった MdS=δW+dU、δW=PdV+Mdμ が心理学でも有効である。Sはエントロピー、Uは脅威感のみに依存する内部エネルギー、μは(最大速力-現在速力)の関数であり速度余裕を表す余裕ポテンシャルである。仕事Wのうち、PdVは力学風の仕事、速度余裕があればMdμで負の心理仕事をする。 3)交通心理学第2法則 Sが最大の時、熱平衡である。この原理を水路を航行する船舶に当てはめると、水路幅に応じて船速が定まり、自然減速が説明できる。また、大洋中を定常縦列航行する2船間では離間距離と船速が定まる。さらにαの小さな大船には、閉塞性の高い海域での熱平衡状態が無く、右往左往する場合がある。
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