1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10876016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
勝亦 暸一 東北大学, 農学部, 教授 (60292257)
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Keywords | コリネバクテリウム / 大腸菌 / 変異株 / アミノ酸 / 排出 |
Research Abstract |
各種アミノ酸の発酵生産に使われているCorynebacterium glutamicumやEscherichiai coliは、アミノ酸生合成経路の代謝制御が解除されたとき、アミノ酸を細胞外に分泌し、その分泌能は同じアミノ酸の細胞内とり込み系が欠失しても損なわれない事例が知られることから、これらの菌種はとり込み系とは無関係なアミノ酸の排出機能を備えていると考えられる。それを検証するために、アミノ酸の細胞内過剰蓄積による増殖能の喪失を指標に、スレオニンおよびフェニルアラニンの排出欠損変異株の取得を試みた。両菌種の野生株からニトロソグアニジン変異処理により多数の2-アミノ-3-ヒドロキシ菌草酸(スレオニンアナログ)あるいは4-フロロフェニルアラニン(フェニルアラニンアナログ)耐性変異株をまず分離し、その中から高濃度(10〜20mg/ml)のスレオニンまたはフェニルアラニン含有プレート上で生育できない変異株を選び出した。それらの変異株を最少培地で増殖させた後、高濃度アミノ酸含有培地に移して培養し、菌株内のアミノ酸を熱水抽出して測定することにより、アミノ酸多量蓄積株の同定を現在行っている。 一方、アラニンデヒドロゲナーゼ遺伝子を導入したアラニン生産菌を用いてアラニン排出系を解析するために、まずその遺伝子源を探索した。Arthrobacter ureafacjensは高濃度の培地中NH_4^+によってアラニンデヒドロゲナーゼを誘導合成し、β-クロロピルビン酸存在下で酵素活性と相関してアラニンを分泌することを見い出し、本酵素がアラニン合成に働いていることを確認した。C.glutamicumとE.coliのアラニン生産菌の作製を目的に、本酵素遺伝子のクローン化を試みている。
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