1998 Fiscal Year Annual Research Report
シトクロムの一酸化窒素高捕捉機能を用いた二酸化窒素汚染好植物の創成
Project/Area Number |
10876022
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
奥 忠武 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20059637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 俊幸 日本大学, 生物資源科学部, 専任講師 (10256836)
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Keywords | シトクロム / 一酸化窒素捕捉 / 二酸化窒素汚染好植物 |
Research Abstract |
1. 紅藻、緑藻および光合成細菌中の一酸化窒素高補足機能シトクロムの検索、一次構造の決定および高次構造の推定 (1)紅藻、ノリ(Porphrya yezoensis):シトクロム(Cyt)f__-を硫安分画法、DEAE-celluloseイオン交換カラムクロマトグラフィー(2段階)およびDEAE-SepharoseF.F.イオン交換カラムクロマトグラフィーで精製し、純度(A553/272nm)1.0以上のものを得た。還元型にしたCyt f__-は553nm(α帯)、522(β)、416(γ)、322(δ)を示した。アミノ酸分析の結果から85残基であり、脱ヘム核後にプロテイン・シークエンサーにより全配列を決定した結果と一致していた。N末端からの14〜18番目にはCys-X-Y-Cys-His配列が存在し、典型的なCタイプであることが判った。分子量は9,077Da、等電点は4.27であった。Chou-Fasman法で二次構造を予測したところ、4ヶ所のα-ヘリックス、2ヶ所のβ-シートがみられ、21と54番にターンに関与するGlyが認められた。一酸化窒素捕捉部位と推定される第6配位子のMet-58は疎水性配列部位に存在することが予測された(Kate-Doolittle scale)。 (2)緑藻、クロレラ(Chlorella vulgaris):Cyt c_6の精製を検討し、高収率の方法を確立した。そのアミノ酸配列や物理化学的特性は現在検討中である。 (3)光合成細菌:培養法とCytの精製法を現在検討中である。 2. シトクロム類を用いた亜硝酸還元反応の確立と解明 (1)ノリから精製したCyt f__-を用いて、亜硝酸還元反応は、pHは4〜8.5の範囲で酸性側ほど速く、温度は20〜40℃の範囲では高温ほど高速であった。反応経路は亜硝酸→一酸化窒素→アンモニアであった。 (2)Cyt f__-と一酸化窒素の結合は、吸収スペクトルの結果からヘム核の鉄とMet-58であることが判明した。 以上のように、初年度の目的はほぼ達成されつつある。
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Research Products
(1 results)