1999 Fiscal Year Annual Research Report
シトクロムの一酸化窒素高捕捉機能を用いた二酸化窒素汚染好植物の創成
Project/Area Number |
10876022
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
奥 忠武 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20059637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 俊幸 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (10256836)
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Keywords | シトクロム / 一酸化窒素捕捉 / 二酸化窒素汚染高植物 / 紅藻 / DNA / クローニング / 大腸菌 / 発現 |
Research Abstract |
1藻類および大腸菌の一酸化窒素高捕捉能シトクロム遺伝子のクローニングとその発現(分担 奥) : (1)紅藻(スサビノリ)からmRNAを抽出し、シトクロムc_6の一次構造を基にプライマーを作製し、5'-RACE、3'-RACEにより目的遺伝子を増幅後、サブクローニングを行い、全塩基配列483bpを決定した。シトクロムc_6は葉緑体ゲノムDNAにコードされ、トランジットペプチド25残基、成熟タンパク質85残基から構成されていた。得られたシトクロムc_6のcDNAを大腸菌発現ペクターに挿入し、大腸菌DH5αに形質転換を行い、大腸菌での発現系の確立に成功した。酵母宿主系での発現は、現在検討中である。 また、繁殖力の旺盛な緑藻の一酸化窒素捕捉分子を探索する目的で、シトクロムcを単離・精製し、その構造と性質も検討した。 (2)細菌類については、高熱性菌Bacillus stearothermophilusや光合成細菌Rhodopseudomonas rutilaのDNAを抽出し、現在PCRによるクローニングを試みている。 2発現シトクロムの一酸化窒素捕捉能の検討(分担 西尾) : 上記1-(1)で発現したシトクロムc_6を精製し、一次配列分析、物理化学的測定(分子量、等電点)および分光学的測定(紫外・可視吸収スペクトル、CD、ラマンスペクトル)を行った結果、一次、二次構造や配位子の状態はスサビノリ由来シトクロムc_6と一致し、大腸菌内で正確にフォールディングしていることが確認された。また、発現シトクロムは一酸化窒素捕捉能を有していた。これらの結果は、該当年度の目的をほぼ達成している。尚、本研究は真核生物のシトクロムc_6を大腸菌で発現させた最初の成功例である。
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