1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10876024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
折谷 隆之 東北大学, 農学部, 教授 (20005630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 洋正 東北大学, 農学部, 助手 (30234397)
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Keywords | abscisic acid / 微生物酸化 / epoxy-β-ionylideneacetic acid / 不斉水酸化 / xanthoxinic acid / taxinin A |
Research Abstract |
1) 最近の植物ホルモン、アブシジン酸に関する研究は、遺伝子、酵素レベルでの生合成機構の開明が焦点となっている。これらの研究の発展のためには、植物におけるアブシジン酸生合成中間体キサントキシンの基質の供給が強く望まれている。キサントキシンの有機合成法が開発されているが、実用性に乏しいので、微生物酸化を用いる簡便な効率的な製造方法を開発することを本研究の一つの目標とした。まず、容易に調製できる(±)-エポキシ-β-イオニリデン酢酸の化学的に不活性な4'-位メチレン基を微生物を用いて水酸化することを検討した。Cercospora cruenta菌体の懸濁液に基質のNa塩を加えて代謝させた。代謝物をメチルエステルとして分離した後、キラル・カラムを用いたHPLC分析に供し生成物を調べたところ、光学純度は高く無いが目標とする4'-位が水酸化された光学活性キサントキシン酸とそのエピー体が取れた。さらに効率的な微生物をスクリーニングするため種々の微生物を用いて変換反応を調べた。その結果、Aspergillus niger菌は基質のエポキシ環を開きジオール体を与えたが、Absidia coerulea菌は3'-位と5'-位水酸化物を与えた。Cunninghamella echinulata菌は目標とする高い光学純度のキサントキシン酸とそのエピー体を3:1の比で与えた。 2) イチイ針葉からメタノール抽出によりタキシニンを単離し、セミカルバジドを用いる5'-位の脱シンナミル化により微生物酸化の基質タキシニンAを効率的に調製する方法を確立した。
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[Publications] T.Oritani: "An Overview of Biosynthesis of Abscisic Acid in Fungi" International Conference on plant Growth Substances. 16. 62 (1998)
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[Publications] H. Yamamoto: "New dehydroneloridol derivative in Abscisic Acid producing Fungus Cercospora cruenta" Internationa Conference on plant Growth Substances. 16. 146 (1998)
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[Publications] T. Oritani: "Synthesis of the biosynthetic intermediates related to Abscisic Acid" Internationa Congress Pesticide Chemistry, Abstracts. 9. 3c-021 (1998)