1998 Fiscal Year Annual Research Report
各種微量ホルモンの時間分解蛍光免疫測定法の開発と魚類への応用
Project/Area Number |
10876042
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山田 英明 北里大学, 水産学部, 講師 (50296430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 勝文 北里大学, 水産学部, 講師 (10296428)
千葉 洋明 北里大学, 水産学部, 講師 (50236816)
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Keywords | TR-FIA / DELFIA / ハプテン / 11-ケトテストステロン / エストラジオール-17β / コルチゾル / プロゲステロン / テストステロン |
Research Abstract |
平成10年度の研究は、主に低分子ハプテンのステロイドホルモン(11ケトテストステロン、エストラジオール17β、コルチゾル、プロゲステロン)の測定系開発に重点を置いておこなった。いずれのステロイドホルモンも、すでに開発が終了しているテストステロンと同様に牛血清アルブミン(BSA)との結合体を作成し、テストステロンの測定方法にしたがってそれぞれの測定系を開発した。 作成したBSA-ステロイドホルモン結合物をマイクロプレートに固相化した。その後、標準液あるいは測定用試料、またそれらのホルモンに特異的に結合する抗体(第一抗体)を加えて抗原固相による競合免疫反応を起こさせた。ついで、蛍光物質のユーロピウムを結合させた第二抗体を固相面の第一抗体と結合させた。固相面に形成された抗原抗体複合物の量は、抗原抗体複合物に結合したユーロピウムを解離させて、その蛍光強度を時間分解蛍光免疫測定装置により測定することにより算出した。 今回開発を試みたすべてのステロイドホルモンにおいて、高感度(約6pg/ml〜25ng/ml)な測定系を開発することができた。免疫反応は、4度一晩、20度4時間、37度1時間の3通りを検討した。その結果、いずれの反応においても良好な競合反応が認められ、反応温度および時間を変えても測定値には違いが認められなかった。このことは、最短の測定時間が、すべての反応時間およびマイクロプレートの洗浄時間を含めても2時間で終了することを示している。さらに開発された測定系は、測定内および測定間変動係数も十分に低く、サケ科魚類の血清試料を測定するのに十分であることが確認された。 今年度に開発された各種ステロイドホルモンの測定系は、サケ科魚類の主要なステロイドホルモンを網羅しており、これらの測定により平成11年度以降の研究の進行が飛躍的に加速するものと期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Amano et al.: "Low GnRH levels in the brain and the pituitary in triploid female sockeye salmon" Fish.Sci.64(3). 340-341 (1998)
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[Publications] Amano et al.: "Two differing salmon GnRH precursor nRNAs are co-expressed in the brain of sockeye salmon (Oncorhynchus nerlca)" Cell Tiss.Res.292(2). 267-273 (1998)
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[Publications] Amano et al.: "Ontogenic development of salmon GnRH and chicken GnRH-II systems in the brain of masu salmon" Cell Tiss.Res.293(3). 427-434 (1998)
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[Publications] Chiba et al.: "Development and differentiation of gonadotropin hormone-releasing hormone nearonal systems and testes in the Japanese eel(Anguilla japonica)" Gen.Comp.Endocrinol.(In press).