1998 Fiscal Year Annual Research Report
海産仔稚魚における生物餌料代替微粒子飼料の開発に関する萌芽的研究
Project/Area Number |
10876044
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
竹内 俊郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (70092591)
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Keywords | 微粒子飼料 / 仔稚魚 / 代替 / マダイ / シマアジ |
Research Abstract |
新しく試作した微粒子飼料を用いて、海産仔稚魚(マダイ、シマアジ、ヒラメなど)をワムシを用いずにふ化直後から飼育することを試みるとともに、微粒子飼料としての諸性状を調べ、応用展開可能な微粒子飼料の開発に向けた基礎的知見を得ることを目的とした。まず、シマアジを対象に、全長2.8mm(日齢4-5)、全長4.2mm(日齢12)および全長6.5mm(日齢30)の3つのサイズを用いて、微粒子飼料の摂餌の有無を調べた。すなわち、飼料には1.5%のテトラサイクリンを外割で添加し、蛍光顕微鏡で摂餌状態を観察した。その結果、いずれのサイズの魚も微粒子飼料を良く摂餌していることが確認され、今回開発した新型飼料(ペプチド-脂肪酸カルシウムコーティング)の摂餌性は優れていることが明らかになった。そこで次に、ふ化後3日目のマダイ仔魚を用いて、新型微粒子飼料による飼育試験を行った。対照には従来種苗生産を行う上で用いられている、ワムシとアルテミアの餌料系列で、それぞれ26日齢まで飼育した。その結果、飼育終了時の成長と生残率は生物餌料区が10.9mm,90%、微粒子飼料区が8.5mm,58%であった。なお、絶食区は12日齢で全滅した。魚体の一般分析、アミノ酸組成および脂肪酸組成などを調べた結果、微粒子飼料が利用され、魚体に蓄積していることが確認された。本年度の結果より、新たに開発したペプチド-脂肪酸Caコーティング微粒子飼料は摂餌性に優れ、仔魚に利用可能であるとともに、全く生物飼料を給餌せずにマダイをふ化後から26日齢まで飼育できることが明らかになった。
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