1998 Fiscal Year Annual Research Report
一般廃棄物溶融スラグ微粉末のセメント用混和材および地盤改良材としての可能性
Project/Area Number |
10876050
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Research Institution | Miyagi Agricultural College |
Principal Investigator |
富田 道久 宮城県農業短期大学, 農業土木科, 教授 (60070223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北辻 政文 宮城県農業短期大学, 農業土木科, 講師 (30195268)
藤原 幸彦 宮城県農業短期大学, 農業土木科, 助教授 (20141038)
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Keywords | ごみ溶融スラグ / 潜在水硬性 / 混和材 / モルタル / 土質安定材 / 一軸圧縮強度 / 土質安定処理 / ソイルセメント |
Research Abstract |
セメント系固結材として、一般廃棄物溶融スラグの有効利用について検討を行っている。研究では、コークスベット方式により生成された、潜在水硬性を有する溶融スラグ微粉末(比表面積3.950cm^2/g、以下溶融スラグとする)を材料として実験を行い、以下の結果が得られた。 1. スラグ微粉末の理化学性 :主な結果を列挙すると、活性度指数は材齢7、28、91日でそれぞれ49、80、91%、フロー値比は10.3%、塩基度は1.54で、ほぼ高炉スラグに近い値であった。また、ガラス化率は98.8%と極めて高い値を示した。 2. セメント用混和材としての圧縮強度 : 溶融スラグの置換率0、10、30、50%、材齢3、7、28日におけるモルタルの強度は、置換率が高くなると低示するが、高炉スラグで置換した強度と同等の値を示した。また、モルタルと同様の条件でのコンクリートは、置換率30%、材齢28、91日の強度が置換率0%と同等であった。 3. 地盤改良材としての圧縮強度 : 土に対するセメント添加率を5、10、15%、セメントに対する溶融スラグの置換率を30、50、70%、材齢3、7、28、91日の条件で行った結果、一般に置換率の増加とともに強度低下の傾向がみられるが、有機質粘土は添加率15%、置換率30%で強度が特に大きい。木節粘土は材齢28日以上になると、置換率に関わりなく置換率0%の場合と同程度の強度を示した。また、シルト質土は添加率10%以上、置換率30%においては改良材としての効果が顕著であった。 4. スラグの安全性の評価:水銀、カドミウム、鉛、ひ素、クロム、セレンについて重金属の溶出試験を行った結果、溶出量は土壌環境基準値(環境庁告示大46号)を大きく下回り、安全性には問題がないと判断される。
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