1998 Fiscal Year Annual Research Report
染色体顕微切断法を用いた家禽におけるペインティングマーカーの作出
Project/Area Number |
10876063
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岡本 新 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70158814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 芳實 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50041661)
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Keywords | ニワトリ / 染色体 / 顕微切断 / PCR / FISH |
Research Abstract |
本研究では,ニワトリの微小染色体を対象に顕微切断法およびFISH法を併用して,まずニワトリの微小染色体識別の可能性について検討した。材料には,当研究室で維持している薩摩鶏より採取した血液を用い,末梢リンパ球培養法に従って72時間培養を実施したのち染色体標本を作製した。顕微切断は,倒立顕微鏡下で十分に分散した中期像を選び,微小染色体群の中から任意に1つをガラスナイフで掻き出し,回収緩衝液の入ったチューブに回収した。回収した1本の染色体は,タンパク質を除去後templateとし,ランダム配列が6塩基からなるプライマーを用いたDOP-PCR法によってDNAを増幅した。PCR産物は,2.0%のアガロースゲル電気泳動によりその有無を確認した。 染色体を掻き出す際は,十分に分散した中期像を選び,標的とする微小染色体の周囲にできるだけ他の染色体が存在せず,確実にその標的のみを回収することを心がけた。PCRによるDNAの増幅結果を泳動で確認すると,PCR1巡目ではほとんどのサンプルにおいて産物を確認できなかったが,同じ条件でPCRを繰返したところ2巡目では200bpおよび300bp付近にバンドが認められた。なお,このバンドはコントールにおいては観察されないものであった。このサンプルをプローブ化してFISHを行なったところ,すべての分裂中期細胞においてシグナルを検出することはできなかった。しかしながら,微小染色体に明らかにシグナルを有する細胞も観察され,同法を用いた微小染色体マーカー作出の可能性が示唆された
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