2000 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患と生殖能力:トランスジェニックおよびノックアウト動物の解析
Project/Area Number |
10876064
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
木曽 康郎 山口大学, 農学部, 教授 (10142374)
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Keywords | 子宮NK細胞 / ラセン動脈 / 脱落膜 / TgE26 / RAG-2 / IL-2レセプタ-γ鎖 / INF-γ / 間膜腺 |
Research Abstract |
本年度は最終年度に当たるので、これまで検討した4種類の遺伝子改変あるいは遺伝子破壊マウスモデルに関して総括するとともに、最近作製された遺伝子破壊マウスモデルにおける子宮NK細胞について検討した。前年度、子宮NK細胞欠損マウスTgE26では、間膜腺と基底脱落膜内のラセン動脈の分岐が不完全で、特に胎盤形成期での蛇行や迂曲が見られず、血管内皮の肥厚が見られたことから、局所での高血圧が起こり、流産が誘起されたことを明らかにした。本年度、TgE26と同様に子宮NK細胞欠損マウスであるRAG-2^<-/->・γc^<-/->マウスを検討に加えた。RAG-2^<-/->・γc^<-/->マウスでは、流産が誘起されず、間膜腺と基底脱落膜内のラセン動脈の分岐は対照と比較すると不完全であったが、TgE26ほどではなかった。また、血管内皮の肥厚も著しくはなかった。このことは、子宮NK細胞は血管構築に影響を与えないことを示唆した。RAG-2^<-/->・γc^<-/->マウスの子宮内膜にはTgE26のそれと比較してINF-γが存在した。子宮NK細胞がINF-γを分泌していることは証明されているので、RAG-2^<-/->・γc^<-/->マウスにおけるINF-γの産生部位が実験的疑問として残ったものの正常妊娠過程においては、子宮NK細胞がINF-γを分泌し、それによって血管構築がなされたものと総括される。
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[Publications] Namba Y. 他3名: "Uterine natural killer cell and pregnancy : involvement between uterine natural killer cell and placental angiogenesis in mice,"Reproductive Biophysiology and its Relating Techiques Update. Springer-Verlag(in press). (2001)
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[Publications] Namba Y, 他8名: "A study of reproductive performance in pregnant, IL-2 receptor β-chain overexpressed transgenic mice"J.Vet.Med.Sci.. 63. 99-101 (2001)
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[Publications] Okada T. 他7名: "Perinatal development of the rat kidney : proliferative activity and epidermal growth factor"Biol.Neonate. 79. 46-53 (2001)
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[Publications] Greenwood JP. 他5名: "Ultrastructural studies of implantation sites from mice deficient in natural killer cells"Placenta. 21. 693-702 (2000)
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[Publications] Kiso Y, 他3名: "Different aspects of Uterine NK cell function as the feto-maternal interface"Cloned Animal and Placentation. Yokendo LTD.. 83-85 (2000)
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[Publications] Kannan Y. 他6名: "Neurotrophic action of IL-3 and GM-CSF on murine sympathetic neurons."Neuroimmunomodulation. 8. 132-141 (2000)