1998 Fiscal Year Annual Research Report
Notch関連分子によるニワトリ造血幹細胞自己複製制御機構
Project/Area Number |
10876066
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
後飯塚 僚 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (50301552)
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Keywords | Notch / ニワトリ / ファブリシウス嚢 / B細胞 |
Research Abstract |
トリのリンパ組織におけるNotchそれからそのリガンドであるSerrate-2の発現をwhole-mount in situ hybridizationで調べた結果、ファブリシウス嚢にNotch分子とそのリガンドの一つであるSerrate-2分子が同時に発現していることが明らかになった。ファブリシウス嚢におけるこれらの遺伝子の発現パターンをさらに詳細に解析したところ、リガンドである Serrate-2はそれぞれの濾胞の辺縁にリング状に発現しており、レセプターであるNotch1も濾胞にリング状に発現していること判明した。そのSerrate-2発現細胞の性状を調べるために、上皮細胞のマーカーであるサイトケラチン蛋白の発現を調べたところ、Serrate-2発現細胞にサイトケラチンが発現しており、これらは濾胞上皮細胞と考えられた。 つぎに、細胞増殖のマーカーとしてPCNA蛋白の発現について解析したところ、濾胞内のB細胞はPCNA陽性を示したが、Serrate-2ならびにNotch1発現細胞は陰性であった。そこで、一個の濾胞のなかでのB細胞分化の過程を、免疫グロブリン遺伝子の遺伝子変換の程度で解析するために、これら組織切片のSerrate-2発現部位および中心部からマイクロマニュピュレーターで数個の細胞を採取して、PCRで免疫グロブリン遺伝子を増幅して、その塩基配列を解析を行った。Serrate-2発現部位の近くから採取した細胞の免疫グロブリン遺伝子の多様性は、中心部から採取した細胞における免疫グロブリン遺伝子の多様性よりも少ない傾向にあった。以上の結果から、Serrate-2を介したNotch1からのシグナルが、ファブリシウス嚢における未分化なB細胞から多様性を持ったB細胞への分化のバランスを調節し、B細胞の分化の恒常性を維持している可能性が示唆された。
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[Publications] Goitsuka, Ryo: "BASH, a ravel signding ndecule preferanfialhy exprasscl in Bcells of the barsa of Frbricias" J,Imnural,. 161. 5804-5808 (1998)
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[Publications] 後飯塚 僚: "免疫システムの謎を追って:いかにして個別性(indinidnality)と多様性(netoroceueitg)は形成されるのか?" AD6S. 4・7. 506-510 (1999)