1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10876071
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今泉 勝己 九州大学, 農学部, 教授 (90037466)
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Keywords | 人工消化管 / 食品廃棄物 / エマルジョン / 栄養素 / 生体機能 |
Research Abstract |
哺乳動物では、食品は咀嚼後に胃の酸性条件下で微生物などの殺菌と乳化を受け、小腸の中性条件下で消化の完成と低分子の吸収が起こる。本研究は生体で起こるこのような過程をモデルとして食品廃棄物の有効利用を図るための基礎的条件の設定を行うことを目的にしている。なお、生体では低分子成分は分別吸収されるが、ここでは低分子の栄養成分をエマルジョン粒子のなかに取り込こませ、総ての有用な低分子成分を同時に回収できる方法を模索する。 まず、残飯の栄養成分を把握するため、その一般分析を行い、主要残存栄養素が炭水化物であることを確認している。 同時に、残飯からの低分子成分の生成条件の設定のために、温度、PH、撹拌、酵素源等を調査している。また、生成した総ての低分子成分を包み込むことが可能なエマルジョン粒子の形成に必要な乳化剤の検討を進めている。 なお、消化管は、生体に由来する各種の栄養成分を包含するある種のエマルジョン粒子を丸ごと取り込むという特殊な機構も有している。そこで、このような生体に由来するエマルジョン粒子の表層のシグナルとなる成分とそれを認識する消化管の構造との関係を調査している。その結果この生体由来のエマルジョン粒子表面に存在する成分と、それらを認識する消化管の構成成分の幾つかについて分離することができた。このようなエマルジョン粒子表層成分とそれを認識する消化管側の成分を人口消化管の構築に利用する。
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