1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規蛋白相互作用可視化技術によるG蛋白質共役型受容体調節機構の時空間的解析
Project/Area Number |
10877008
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
淡路 健雄 東京女子医科大学, 医学部 (60297546)
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Keywords | α_<1b>受容体 / GFP(Green Fluorescent Protein) / 情報伝達機構 |
Research Abstract |
今年度は、受容体情報伝達機構可視化の基礎的検討として、GFP融合による蛋白可視化技術を用い、GFP融合受容体の可視化法の確立並び、GFP融合による受容体機能の変化について、α_<1b>受容体をモデルとして検討を行った。 [生細胞での受容体可視化の実現] 受容体のGFP利用による細胞内局在の検討は困難である事が知られているため、より蛍光の強く、動物細胞での発現を有利にした、hS65T-GFPを受容体C端に融合したコンストラクトを作成し、マウス下垂体細胞由来のαT3細胞に導入を行った。この、コンストラクトを利用することにより、生細胞レベルでのGFP融合受容体からの蛍光を検出することが可能となった。この際に、より効率良く強発現細胞を選択するため、蛍光強度を指標とした選択法として、セルソーターによる選択を行った。このことにより、GFP融合受容体強発現の細胞を効率良く得ることが出来、生細胞レベルでの受容体分布・移動の検討が可能となった。 [GFP融合の受容体機能に対する機能の検討] 刺激前、α_<1b>受容体は形質膜上に分布を示し、受容体刺激により細胞内への受容体の移動が認められ、15分で最大反応に達した。同時に作成した野生型受容体を発現している細胞における、抗体を利用した細胞内局在の検討においても同様な結果が得られた。また各種薬物に対する結合特性および細胞レベルでのカルシウム反応・IP_3産生については野生型α_<1b>受容体導入細胞との間に差は認められなかった。以上の結果より、GFP融合受容体における、細胞内分布・情報伝達機構・薬物結合特性においては差が認められず、野生型受容体の機能に対して、α_<1b>受容体ではGFP融合は影響がないことが示された。 本年度の研究では、生細胞ではこれまで困難であった受容体分布・移動のメカニズム検討を、GFP融合受容体を作成することにより可視化検討することが可能とり、GFP・FRETを利用し、細胞内情報伝達系の時空間的解析・可視化技術の確立の実験基盤が達成されたと考えられる。
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