1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体防御に果たす脂肪組織の役割(環境ストレス応答の新しいパラダイム)
Project/Area Number |
10877012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 厚司 九州大学, 医学部, 助手 (30243934)
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Keywords | GBP28 / エンドトキシンショック / 冬眠物質 |
Research Abstract |
本研究は、脂肪細胞が生体防御に果たす未知の役割を解明することを目指したもので、2年計画の初年度である。本年度は、特にGBP28とLPS活性との関連に注目し以下のような研究成果が得られた。 1.GBP28にLPS様リムルス活性が存在する。その力価はLPS(E.coli,0111:B4)と比較し1/l,000程度であった。 2.GBP28のLPS様活性は、56℃30分で減弱し、何らかの高次構造がその活性と関係していることが推測された。 3.GBP28は、マクロファージに作用してIL-6を誘導する。この作用も加熱により減弱した。しかしながらこれがLPS様作用なのか、Clq受容体を介したものかは不明である。 4.LPSによるマクロファージからのIL-6の誘導を、GBP28が抑制した。つまり、少なくとも一部のLPS活性がGBP28により減弱されることがわかった。 5.LPSshockモデルのラットでは、全身の基質細胞へのGBP28蛋白の沈着が見られたが、血漿GBP28濃度や肝のGBP28mRNA発現量に大きな変化はなかった。 6.肝のGBP28mlRNAの発現量が、24時間の寒冷暴露によって約2倍に増加した。このことから、GBP28の発現の制御は炎症性刺激よりも温度環境の変化に大きく左右されることがわかった。 今後は、以上の結果を踏まえ、現在作成中であるGBP28の過剰発現やKOモデルを使って、GBP28が生体防御に果たす役割についてさらなる検討を加えていく予定である。
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[Publications] Ito,K: "Bioluminescent Enzyme Immunoassay for Mouse Interleukin-6 using Acetate Kinase" Analytical Sciences. 15. 91-93 (1999)
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[Publications] Shioda,S: "PACAP protects hippocampal neurons against apotosis/involvement of JNK/SAPK signaling pathway" Ann.New York Acad.Sci.in press (1999)
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[Publications] Takaki,A.: "Enteric endotoxin may function as a modulator in the neuro-immuno-endocrine network during stress" Folia Endocrinologica Japonica. 74. 463 (1998)
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[Publications] Takaki,A.: "Non-inflammatory stress and the brain-gut-liver immune axis" Jpn J Physiol. 48. S7 (1998)
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[Publications] Oka,K.: "PGE2 receptor subtype EP1 antagonist may inhibit central interleukin-1 β-induced fever in rats." Am.J.Physiol.275. 1762-1765 (1998)
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[Publications] Takaki,A.: "Brain and Biodefence" Japan Scientific Societies Press, 248 (1998)